金属基複合材料とは
きんぞくきふくごうざいりょう
アルミニウムなどの金属を母材とし、SiC粒子や繊維で強化した複合材料(MMC)。剛性と耐摩耗性を高め、熱膨張を小さくできる。
「金属基複合材料」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
きんぞくきふくごうざいりょう
アルミニウムなどの金属を母材とし、SiC粒子や繊維で強化した複合材料(MMC)。剛性と耐摩耗性を高め、熱膨張を小さくできる。
「金属基複合材料」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
金属基複合材料(MMC)は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、銅などの金属を母材とし、SiCやAl₂O₃ の粒子、短繊維、長繊維などで強化した材料です。粒子で強化したアルミニウム合金が最も多く使われ、粒子の量は体積で10〜20%程度から、放熱用の材料では60%を超えるものまであります。高分子を母材とする複合材料より耐熱性が高く、セラミックスより靭性や熱伝導率が高い、両者の中間の性質をねらった材料です。WC粒子をCoで結合した超硬合金も、広い意味でMMCの仲間とみなされることがあります。
粒子で強化した複合材料のヤング率は、複合則の上限(各相のひずみが等しいとき)と下限(応力が等しいとき)の間に入ります。アルミニウム(70 GPa)にSiC粒子(410 GPa)を体積で20%入れた場合、上限は約138 GPa、下限は約84 GPaで、実際の値はその間の100 GPa前後になることが多いです。線膨張係数も粒子の量に応じて下がり、粒子を多く入れると、母材の約23×10⁻⁶ K⁻¹ から半導体やセラミックスの基板に近い値まで小さくできます。熱伝導率が高いまま膨張だけを小さくできるのが、放熱材料での利点です。
MMCは、溶けた金属に粒子を混ぜて鋳造する撹拌鋳造、金属と強化材の粉末を混ぜて焼き固める粉末冶金、強化材の成形体に溶湯を圧力で染み込ませる加圧含浸などでつくります。溶けた金属は粒子を濡らしにくいことが多く、粒子が固まって分布が不均一になったり、空隙が残ったりしやすい点が課題です。また、高温で長く接触させるとSiCとアルミニウムが反応して脆い Al₄C₃ ができるので、温度や時間、母材のSi量を管理します。冷却時の膨張の差で粒子のまわりに転位が増えることも、強度に影響します。
アルミニウム合金とSiCのMMCは、パワー半導体のモジュールの放熱板、精密な機器の構造部品、ブレーキの部品、自転車のフレームなどに使われてきました。弱点は、硬い粒子のために切削の工具がすぐに摩耗してダイヤモンドの工具が必要になること、延性と靭性が母材より低いこと、価格が高いこと、粒子を含むためリサイクルしにくいことです。そのため、剛性・耐摩耗性・低い熱膨張のいずれかが特に重要で、ほかの材料では満たせない部品に絞って使われるのが一般的です。
正解:A. 母材のアルミニウム合金に比べて、ヤング率と耐摩耗性が高く、線膨張係数が小さくなるが、延性と靭性は下がる
ヤング率が約400 GPa と高く、線膨張係数が約4×10⁻⁶ K⁻¹ と小さい SiC 粒子を入れると、複合材料のヤング率と耐摩耗性は母材のアルミニウム合金より高くなり、線膨張係数は小さくなります。線膨張係数を半導体やセラミックス基板に近づけられるので、パワー半導体の放熱板などに使われます。一方、硬い粒子のまわりでき裂が生じやすく、延性と靭性は下がります。線膨張係数が大きくなり延性も向上するという説明は、どちらも逆です。また、SiC は高温の溶けたアルミニウムと反応して脆い Al₄C₃ をつくることがあり、製造温度や母材の Si 量を調整して反応を抑えます。
母材が違います。FRPは樹脂、MMCは金属を母材とするので、MMCは耐熱性が高く、熱や電気をよく通します。一方、密度は大きく、製造の費用も高くなりがちです。
ヤング率と耐摩耗性は大きく上がり、耐力も高くなることが多いですが、伸びと靭性は下がります。強さだけが目的なら、熱処理したアルミニウム合金で足りる場合も多いです。
アルミニウムにSiCを多く含ませたMMCで、電子部品の放熱板やパッケージに使われます。熱をよく伝えつつ熱膨張を半導体やセラミックスの基板に近づけられるので、はんだ接合部の熱応力を減らせます。
ヤング率 線膨張係数 疑似等方積層 CFRP(炭素繊維強化プラスチック) GFRP(ガラス繊維強化プラスチック) シランカップリング剤 セラミックス基複合材料 層間はく離 臨界繊維長