層間はく離とは
そうかんはくり
積層板の層と層の間の樹脂や界面が割れて、層がはがれる損傷。厚さ方向の強さが低いために起こり、衝撃で内部に生じると外から見つけにくい。
「層間はく離」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
そうかんはくり
積層板の層と層の間の樹脂や界面が割れて、層がはがれる損傷。厚さ方向の強さが低いために起こり、衝撃で内部に生じると外から見つけにくい。
「層間はく離」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
積層板の面内の荷重は繊維が受け持ちますが、層と層の間には繊維がなく、樹脂と、繊維と樹脂の界面だけでつながっています。そのため、厚さ方向の引張(はがす力)や層の間のせん断に対する強さは、繊維方向の強さの数十分の1程度しかありません。積層板では、自由な端、穴のまわり、層の枚数が変わる部分、曲がった部分などで、層の向きの違いから生じる層間の応力が集中し、そこからはく離が始まります。成形のときの空隙や異物の混入も、はく離の起点になります。
層間はく離は、層の間のき裂の進展として破壊力学で扱います。開く向き(モードI)の層間の破壊靭性 G_Ic は双片持ちはり(DCB)試験、ずれる向き(モードII)の G_IIc は端面切欠き曲げ(ENF)試験などで測ります。もろいエポキシを使った炭素繊維の積層板では、G_Ic はおおむね100〜300 J/m² 程度と、金属の破壊靭性に比べてけた違いに小さな値です。熱可塑性の粒子を加えた強靭化エポキシや、熱可塑性樹脂を母材に使うと、G_Ic を大きく高められます。
工具を落としたり小石が当たったりした程度の衝撃でも、積層板の内部には、層ごとに向きの違う多数のはく離が円すい状に広がることがあります。表面にはわずかなへこみしか残らないので、目視ではほとんど見つけられません(BVID: 目視でかろうじてわかる衝撃損傷)。はく離した部分は、圧縮を受けると薄い層ごとに座屈しやすくなるので、引張よりも圧縮の強度が大きく下がります。そのため航空機では、衝撃を与えたあとの圧縮強度(CAI)を設計の基準の一つにしています。
内部のはく離は、超音波探傷(Cスキャン)で、はく離の面で反射する波を調べて見つけるのが一般的で、赤外線サーモグラフィや打音検査も使われます。防ぐには、強靭化した樹脂を使うほか、厚さ方向に糸を通すステッチング、細いピンを打ち込むZピン、3次元の織物など、厚さ方向にも繊維を入れて層をつなぐ方法があります。ただし、厚さ方向に繊維を入れると面内の繊維が乱れて面内の性質が下がることもあり、両者の釣り合いで選びます。半導体のパッケージやコーティングで界面がはがれる現象も、同じく層間はく離(デラミネーション)と呼ばれます。
正解:C. 0°方向と90°方向のヤング率はほぼ等しいが、45°方向では面内せん断が効いて小さくなる
[0/90]ₛ では、0°方向に引っ張ると0°層が、90°方向に引っ張ると90°層が繊維方向で荷重を受けるので、両方向のヤング率はほぼ等しくなります。しかし45°方向に引っ張ると、どの層の繊維も荷重の方向から45°ずれ、変形はおもに樹脂が支える面内せん断になるので、ヤング率は大きく下がります。面内で等方性に近づけたいときは、[0/±45/90]ₛ のように45°の層を加えた疑似等方積層にします。45°方向も同じという説明はこの点を見落としています。90°方向でも90°層の繊維が荷重を受けるので、樹脂だけのヤング率になるわけではありません。なお、どの積層でも厚さ方向は樹脂が支えるので、層間はく離が起こりやすい点は残ります。
同じ意味です。英語の delamination の訳で、複合材料の積層板のほか、半導体のパッケージ、塗膜、合わせガラスなど、層を重ねたものの界面がはがれる現象全般に使われます。
内部の損傷は外から見えないことが多いので、超音波探傷で調べるのが一般的です。はく離の面で超音波が反射するので、その位置と深さを画像にできます。
小さなはく離なら、樹脂を注入して接着し直す修理が行われることがあります。損傷が大きい場合は損傷部を削り取り、新しい層を重ねて接着する当て板やスカーフの修理を行います。
なお、どの積層でも厚さ方向は樹脂が支えるので、層間はく離が起こりやすい点は残ります。
一方向材の層を [0/90]ₛ のように直交させて対称に積み重ねた積層板の、面内の剛性についての説明として正しいものは…ヤング率 疑似等方積層 金属基複合材料 CFRP(炭素繊維強化プラスチック) GFRP(ガラス繊維強化プラスチック) シランカップリング剤 セラミックス基複合材料 臨界繊維長