臨界繊維長とは
りんかいせんいちょう
短繊維の中央の応力が界面のせん断で繊維の引張強さに達するのに必要な長さ。lc = σf·d/(2τc) で表され、これより短い繊維は引き抜けてしまう。
「臨界繊維長」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(高分子・複合材料, 複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
りんかいせんいちょう
短繊維の中央の応力が界面のせん断で繊維の引張強さに達するのに必要な長さ。lc = σf·d/(2τc) で表され、これより短い繊維は引き抜けてしまう。
「臨界繊維長」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(高分子・複合材料, 複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
母材の中の短繊維に荷重が伝わるのは、おもに繊維の側面の界面のせん断を通してです。繊維の端では応力がほぼゼロで、端から離れるにつれて界面のせん断応力 τc で少しずつ荷重が入り、繊維の応力は増えていきます。両端から入った荷重で繊維の中央の応力がちょうど引張強さ σf に達する長さが臨界繊維長 lc で、力のつり合いから lc = σf·d/(2τc) が導かれます(d は繊維の直径)。炭素繊維とエポキシ樹脂の組み合わせでは、lc は0.数 mm〜1 mm 程度になります。
繊維が lc より短いと、繊維の応力は最後まで引張強さに届かず、繊維は切れる前に母材から引き抜けてしまうので、繊維の強さを生かしきれません。繊維が lc よりずっと長ければ、応力の低い端の部分の割合が小さくなり、連続繊維に近い補強効果が得られます。目安として、繊維の長さが lc の十数倍以上あれば連続繊維に近いとみなされます。界面の接着が強いほど τc が大きく、lc は短くなり、繊維が細いほど lc は短くなります。
射出成形する短繊維強化樹脂では、混練や成形の途中で繊維が折れて短くなり、平均の繊維長が lc に近づくと補強効果が大きく落ちます。そのため、繊維を長いまま残す長繊維ペレットや、成形条件の工夫が行われます。また、引き抜きは破壊のときにエネルギーを吸収するので、靭性の面ではある程度の引き抜きが役立つこともあります。セラミックス基複合材料では、界面を弱くしてあえて引き抜きを起こし、急に割れないようにして靭性を高めます。
正解:C. 約0.25 mm
臨界繊維長は、繊維の端から界面のせん断で応力が伝わり、繊維の中央で引張強さに達するのに必要な長さです。lc = σf·d/(2τc) = 3.5×10⁹ × 7.0×10⁻⁶ / (2 × 50×10⁶) = 2.45×10⁻⁴ m、約0.25 mm です。約0.49 mm は分母の2を忘れた値、約0.12 mm は直径の代わりに半径を使った値です。繊維が lc より十分長いと連続繊維に近い補強効果が得られ、lc より短いと繊維が破断する前に樹脂から引き抜けてしまいます。短繊維強化樹脂の射出成形品で、成形中の繊維の折損による繊維長の低下が問題になるのはこのためです。
はい。lc は界面のせん断強さ τc に反比例するので、カップリング剤などで接着を強めると短くなり、短い繊維でも強さを生かせます。
lc は繊維の直径 d に比例するので、細い繊維ほど臨界繊維長は短くなります。同じ長さの繊維なら、細いほど lc に対する長さの比が大きくなり、補強の効率が上がります。
連続繊維でも、1本の繊維が途中で切れると、その切れ目の両側で応力が回復するのに、片側で lc/2 程度、合わせて lc 程度の長さが必要です。この長さは、繊維の破断が隣の繊維に及ぼす影響や、強度のばらつきの考え方にも関係します。
臨界繊維長は、繊維の端から界面のせん断で応力が伝わり、繊維の中央で引張強さに達するのに必要な長さです。
直径7.0 µm、引張強さ3.5 GPaの炭素繊維と、繊維との界面のせん断強さが50 MPaの樹脂からなる複合材料があ…この最大値が繊維の引張強さに達するのに必要な長さが臨界繊維長 lc で、端からの距離 lc/2 で強さに達します。
母材の中に埋め込まれた短繊維を繊維方向に引っ張ったとき、繊維の中の引張応力の分布として正しいものはどれか。界面は滑らず…疑似等方積層 金属基複合材料 CFRP(炭素繊維強化プラスチック) GFRP(ガラス繊維強化プラスチック) シランカップリング剤 セラミックス基複合材料 層間はく離