CFRP(炭素繊維強化プラスチック)とは

しーえふあーるぴー

炭素繊維をエポキシ樹脂などで固めた複合材料。密度が小さくヤング率と強度が高いので比剛性に優れ、航空機や自動車、スポーツ用品に使われる。

「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」は、3分野の6問の練習問題に出てきます(材料選択と設計, 複合材料, 高分子・複合材料など)。

この用語の分野: 複合材料

構成と特徴

CFRPは、直径5〜7 µm程度の炭素繊維を、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂で固めた複合材料です。炭素繊維は密度が約1.8 g/cm³ と小さく、ヤング率は汎用品で約230 GPa、高弾性のものでは数百 GPa あります。一方向材の繊維方向では、比剛性(ヤング率/密度)が鋼やアルミニウム合金の3倍以上になり、疲労にも強いので、重さを減らしたい航空機の主翼や胴体、自動車、風車の翼、釣りざおやゴルフクラブなどに使われます。

異方性と積層設計

一方向材は、繊維方向には強く剛いものの、繊維に垂直な方向や面内せん断には、樹脂の性質に近い低い値しか示しません。そのため実際の部品では、0°、±45°、90°など向きの異なる層を重ねた積層板にして、荷重のかかる方向に合わせて繊維を配置します。どの方向にも同じような面内の性質がほしいときは、疑似等方積層にします。厚さ方向は樹脂だけが支えるので、層の間の強さが弱く、衝撃で内部に層間はく離が生じやすい点に注意が必要です。

使うときの注意

炭素繊維は電気を通し、電極電位が貴なので、アルミニウム合金と直接接触させるとアルミニウム側がガルバニック腐食を起こしやすくなります。接合部ではガラス繊維の層を挟んだり、チタン合金の締結具を使ったりします。また、熱硬化性の樹脂を使ったCFRPは硬化後に溶かせないので、リサイクルが難しく、熱分解などで繊維を回収する技術が開発されています。成形時の空隙(ボイド)や繊維のうねりは強度を下げるため、超音波探傷などで検査します。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の練習問題に挑戦

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の比較として正しいものはどれか。

  1. AGFRPは電気を通すので、CFRPと違ってアルミニウム合金と接触させるとガルバニック腐食を起こしやすい
  2. BCFRPは電波を通しやすく絶縁性も高いので、GFRPに代えてレーダーを覆うカバーや電気絶縁部品に向く
  3. CCFRPは比剛性に優れるが、電気を通すのでアルミニウム合金と接するとガルバニック腐食を起こしやすい
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正解:C. CFRPは比剛性に優れるが、電気を通すのでアルミニウム合金と接するとガルバニック腐食を起こしやすい

炭素繊維は密度が約1.8 g/cm³ とガラス繊維(約2.5 g/cm³)より小さく、ヤング率は約230 GPa 以上とガラス繊維(約70 GPa)の3倍以上あるので、CFRP は比剛性と比強度に優れ、航空機やスポーツ用品に使われます。ただし高価で、炭素繊維は電気を通し電極電位が貴なため、アルミニウム合金と接触させるとアルミニウムがガルバニック腐食を起こしやすく、間にガラス繊維の層を挟むなどの対策をとります。電気を通すのは CFRP で、GFRP ではありません。電波を通しやすく絶縁性が高いのは GFRP の特徴で、レドームや電気絶縁部品、安価な船体や浴槽などに使われます。

一方向CFRP(繊維方向のヤング率140 GPa、密度1.6 g/cm³)と鋼(ヤング率210 GPa、密度7.9 g/cm³)の、繊維方向の比弾性率(ヤング率/密度)の比 CFRP/鋼 はどれに最も近いか。

  1. A約0.67
  2. B約3.3
  3. C約4.9
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正解:B. 約3.3

比弾性率は、CFRP が 140/1.6 = 87.5、鋼が 210/7.9 ≈ 26.6(単位はどちらも GPa/(g/cm³))なので、比は 87.5/26.6 ≈ 3.3 です。ヤング率そのものは CFRP のほうが小さいものの、密度が約5分の1なので、同じ重さで比べると約3.3倍の剛性になります。約0.67 はヤング率だけを比べた値(140/210)、約4.9 は密度の比(7.9/1.6)だけを見た値です。ただし、この値は繊維方向だけのもので、繊維に垂直な方向では比弾性率は鋼よりはるかに小さくなります。実際の構造では積層によって方向を補うので、比剛性の利点はこの値より小さくなります。

よくある質問

CFRPは鋼より強いのですか?

繊維方向の引張強さとヤング率を密度で割った比強度・比剛性では鋼を大きく上回ります。しかし繊維に垂直な方向や厚さ方向の強さは低いので、どの方向でも鋼より強いわけではありません。

CFRPとGFRPはどう使い分けますか?

軽さと剛性が重要で高価でもよい部品にはCFRP、価格を抑えたい部品や、電気絶縁性や電波の透過性が必要な部品にはGFRPを使うのが一般的です。

CFRPは錆びませんか?

CFRP自体は金属のように錆びることはありませんが、樹脂は吸湿や紫外線で劣化することがあります。また、接触する金属のガルバニック腐食を促すことがあるので、異種材料との接合部に対策が必要です。

解説の中の「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」

「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」が出てくる問題(6問)

  1. 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の比較として正しいものはどれか。
  2. 一方向CFRP(繊維方向のヤング率140 GPa、密度1.6 g/cm³)と鋼(ヤング率210 GPa、密度7.9 g/cm³)の、繊維方向の比弾性率(ヤング率/密度)の比 CFRP/鋼 はどれに最も近いか。
  3. 長さと引張剛性が決まったタイを、鋼(E = 210 GPa、ρ = 7.8 g/cm³、1 kgあたりの価格を1とする)と、疑似等方積層のCFRP(E = 70 GPa、ρ = 1.6 g/cm³、1 kgあたりの価格は鋼の20倍とする)でつくる。断面積は自由に変えられるとき、CFRPのタイの材料費は鋼のタイの約何倍か。
  4. 熱硬化性樹脂の特徴として正しいものはどれか。
  5. 長さと曲げ剛性が決まっている正方形断面の梁を、断面の大きさを自由に変えて最も軽くつくりたい。ヤング率をE、密度をρとすると、最大にすべき性能指数はどれか。
  6. 一般的なガソリン乗用車について、材料の製造から廃棄までのライフサイクルで消費されるエネルギーを段階ごとに比べると、最も大きいのはふつうどの段階か。また、そこから導かれる材料選択の方針として適切なものはどれか。

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関連する用語

ヤング率 比剛性 材料選択の性能指数 GFRP(ガラス繊維強化プラスチック) ガルバニック腐食 疑似等方積層 熱硬化性樹脂 ライフサイクルアセスメント 金属基複合材料 シランカップリング剤

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