熱硬化性樹脂とは
ねつこうかせいじゅし
硬化反応で3次元の網目構造をつくり、硬化後は加熱しても溶融しない樹脂。エポキシ樹脂やフェノール樹脂など。
「熱硬化性樹脂」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(高分子・複合材料, 材料選択と設計など)。
この用語の分野: 高分子・複合材料
ねつこうかせいじゅし
硬化反応で3次元の網目構造をつくり、硬化後は加熱しても溶融しない樹脂。エポキシ樹脂やフェノール樹脂など。
「熱硬化性樹脂」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(高分子・複合材料, 材料選択と設計など)。
この用語の分野: 高分子・複合材料
熱硬化性樹脂は、分子量の小さい主剤と硬化剤が反応して、3次元の網目をつくりながら固まります。エポキシ樹脂はアミンや酸無水物の硬化剤と、不飽和ポリエステルはスチレンとのラジカル重合で、フェノール樹脂はフェノールとホルムアルデヒドの縮合で硬化します。反応が進んで分子が系全体につながる点をゲル化点といい、それ以降は流動しなくなります。さらに反応が進んで網目のTgが硬化温度に追いつくと、分子が動けなくなって反応が止まる「ガラス化」が起こります。
熱可塑性樹脂は鎖どうしが分子間力でつながっているだけなので、加熱すると流動し、何度でも成形し直せます。熱硬化性樹脂は鎖どうしが共有結合で架橋されているので、加熱しても溶融せず、溶剤にも溶けずに膨潤するだけです。ただし熱硬化性樹脂にもガラス転移温度があり、それを超えると弾性率が大きく下がります。エポキシのTgは、硬化剤と硬化の条件によって100℃前後から200℃を超えるものまであり、耐熱性は架橋密度と硬化の程度で決まります。
硬化が不十分だとTgが低く、強度や耐薬品性も上がりきりません。そこで、DSCで残っている反応熱を測って硬化度を求めたり、DMAでTgを確かめたりして、硬化の温度と時間(キュアの条件)を決めます。必要に応じて、高めの温度で後硬化(ポストキュア)します。硬化反応では体積が縮み、さらに冷却で収縮するので、部品やCFRPの内部に残留応力やそりが生じます。エポキシは硬化収縮が比較的小さく、寸法精度が求められる用途に向いています。
熱硬化性樹脂は耐熱性と寸法安定性、電気絶縁性に優れ、CFRPの母材、ガラスエポキシのプリント基板(FR-4)、シリカを多く充填した半導体の封止材、接着剤、塗料などに使われます。1907年にベークランドが発明したフェノール樹脂(ベークライト)は、初めての本格的な合成樹脂でした。一方で、溶かして再成形できないことがリサイクルの大きな課題で、熱分解や化学分解で繊維を回収する方法や、加熱で結合を組み替えられるビトリマーの研究が進められています。
正解:B. 分子鎖が3次元の網目状に架橋しており、硬化後は加熱しても溶融しない
エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂は、硬化反応で分子鎖どうしが化学結合(架橋)して3次元の網目構造になります。そのため硬化後は加熱しても溶融せず、高温では流動する前に分解します。寸法安定性、耐熱性、耐溶剤性に優れ、半導体の封止材、プリント基板、CFRPの母材などに使われます。加熱で軟化・溶融して何度でも成形し直せるのは、ポリエチレンやPETなどの熱可塑性樹脂の特徴です。熱可塑性樹脂は直鎖状や分岐状の分子鎖で架橋がなく、溶剤に溶けるものも多くあります。熱硬化性樹脂は、リサイクルが難しい点が課題です。
そうとは限りません。名前は加熱で硬化して元に戻らないことに由来しますが、室温で硬化する2液性のエポキシ接着剤や、紫外線で硬化する樹脂もあります。共通点は、硬化後に架橋した網目になることです。
あります。架橋した網目でも、Tgを超えると分子鎖の部分的な運動が始まり、弾性率が1〜2桁下がってゴム状になります。ただし架橋があるので流動はせず、さらに加熱すると溶ける前に分解します。
加硫ゴムも架橋した網目で、加熱しても溶けない点は同じです。ただし架橋の密度が低く、Tgが室温よりずっと低いので、室温でゴム弾性を示すエラストマーとして、硬い熱硬化性樹脂とは区別して扱います。
エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂は、硬化反応で分子鎖どうしが化学結合(架橋)して3次元の網目構造になります。
熱硬化性樹脂の特徴として正しいものはどれか。熱硬化性樹脂は網目構造をもち、加熱しても溶けないので、熱可塑性樹脂のように溶かして成形し直すことができず、材料として再生するのが難しい材料です。
製品のリサイクル性を高める材料選択と設計の方針として適切なものはどれか。