シランカップリング剤とは
しらんかっぷりんぐざい
無機物と結合する基と、樹脂と反応する基を1分子にもつ化合物。ガラス繊維の表面処理に使い、界面の接着と耐水性を高める。
「シランカップリング剤」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
しらんかっぷりんぐざい
無機物と結合する基と、樹脂と反応する基を1分子にもつ化合物。ガラス繊維の表面処理に使い、界面の接着と耐水性を高める。
「シランカップリング剤」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(複合材料など)。
この用語の分野: 複合材料
シランカップリング剤は、一般に Y−R−Si(OR′)₃ と書ける分子です。Si(OR′)₃ はメトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基をもつ部分で、水で加水分解されてシラノール(Si−OH)になり、ガラスや金属酸化物の表面の水酸基と縮合して Si−O−Si などの強い結合をつくります。もう一方の Y はアミノ基、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基などの有機の官能基で、樹脂と反応したり絡み合ったりします。こうして無機物と有機物の間を共有結合でつなぎ、界面を化学的に橋渡しします。
カップリング剤の効果は、有機の側の官能基が樹脂と反応できるかどうかで大きく変わります。エポキシ樹脂には、硬化剤のように反応するアミノ系や、同じエポキシ基をもつエポキシ系のシラン、不飽和ポリエステルやビニルエステルには、ラジカルで共重合できるメタクリル系のシランがよく使われます。代表的な分子には、3-アミノプロピルトリエトキシシランや3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランがあります。歯科用の複合レジンでも、フィラーの表面をメタクリル系のシランで処理してレジンと結合させています。反応できない組み合わせでは、ほとんど効果がありません。
シランカップリング剤が強く結合できるのは、表面に水酸基を多くもつガラス、シリカ、アルミナ、多くの金属酸化物などです。表面に水酸基が少ない炭素繊維や、酸化しにくい金などにはあまり効かないので、炭素繊維では表面を電解酸化して官能基をつくり、サイジング剤を塗る方法がとられ、金にはチオール基をもつ化合物が使われます。また、厚く付けすぎると、縮合したシランの層そのものが弱い層になって、かえって接着を弱めることがあります。少ない量で表面を薄く均一に覆うことが大切です。
シランで処理しない場合、ガラス繊維と樹脂の界面には水が入り込みやすく、湿った環境や煮沸した水の中で強度が大きく下がります。シランによる結合と、界面にできる疎水的な層が、水の侵入と界面の加水分解を抑えるので、湿った状態での強度の保持が大きく改善されます。この効果は、ガラス繊維強化プラスチックのほか、無機の粉を混ぜたプラスチック、接着剤や塗料のプライマー、シリカを配合した自動車のタイヤなどでも利用されています。タイヤでは、硫黄を含むシランがシリカとゴムを結びつけています。
正解:B. 無機のガラスと有機の樹脂の両方と結合して界面の接着を強め、荷重を伝えやすくするため
シランカップリング剤は、一方の端にガラス表面の水酸基と結合するアルコキシシリル基を、もう一方の端に樹脂と反応するアミノ基やエポキシ基、ビニル基などをもつ分子です。無機のガラスと有機の樹脂の間を化学結合でつなぐので、界面の接着が強まり、界面のせん断で繊維に荷重が伝わりやすくなります。界面に水が入り込んで接着が弱まるのを防ぐ効果も大きく、湿った環境での強度の低下を抑えます。表面を平滑にして摩擦を小さくするのは、荷重の伝達を弱めるので目的とは逆です。熱伝導率や樹脂の硬化速度を変えることは、カップリング剤の目的ではありません。
薄い水溶液やアルコール溶液にして表面に塗るか浸し、乾燥・加熱して結合させる方法と、樹脂に直接混ぜる方法があります。ガラス繊維では、紡糸の直後に塗るサイジング剤に含めて処理します。
サイジング剤は繊維の表面に塗る処理剤全体を指し、繊維を束ねる成分、潤滑剤、カップリング剤などを含みます。シランカップリング剤は、その中で界面の結合を担う成分です。
性質のまったく違う無機物と有機物を、1つの分子でつなぐ(couple)働きをするからです。接着剤そのものではなく、2つの材料の界面を化学的に仲立ちする分子です。
シランカップリング剤は、一方の端にガラス表面の水酸基と結合するアルコキシシリル基を、もう一方の端に樹脂と反応するアミノ基やエポキシ基、ビニル基などをもつ分子です。
ガラス繊維を樹脂の補強に使うとき、繊維の表面をシランカップリング剤で処理する主な目的はどれか。疑似等方積層 金属基複合材料 CFRP(炭素繊維強化プラスチック) GFRP(ガラス繊維強化プラスチック) セラミックス基複合材料 層間はく離 臨界繊維長