疲労限度とは
ひろうげんど
繰り返し荷重を受けても実質的に破断しなくなる応力振幅の限界。炭素鋼では10⁶〜10⁷回付近で現れることが多く、アルミ合金でははっきりしない。
「疲労限度」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労, 機械的性質と破壊など)。
この用語の分野: 機械的性質と破壊
ひろうげんど
繰り返し荷重を受けても実質的に破断しなくなる応力振幅の限界。炭素鋼では10⁶〜10⁷回付近で現れることが多く、アルミ合金でははっきりしない。
「疲労限度」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労, 機械的性質と破壊など)。
この用語の分野: 機械的性質と破壊
応力振幅を変えて繰り返し負荷をかけ、破断までの回数を両対数でプロットしたものがS-N曲線です。炭素鋼や低合金鋼では、10⁶〜10⁷回付近から曲線が水平に近くなり、その応力振幅より下では実質的に破断しなくなります。この水平部の応力振幅が疲労限度で、回転曲げ試験の両振りの値で示すことが多くあります。アルミニウム合金や銅合金では水平部がはっきりしないので、10⁷回などの決めた回数での時間強度で代わりに評価します。
鋼の回転曲げの疲労限度は、平滑で磨いた試験片では引張強さのおよそ半分という経験的な目安があります。ただし引張強さが約1400 MPaを超える高強度の鋼では、介在物などの内部の欠陥が起点になるため、強度を上げても疲労限度はあまり上がらなくなります。硬さとの比例関係も目安として使われますが、どれも統計的な傾向で、材料のロットや組織でも変わります。実際の部品の設計では試験データや規格の値を使い、次に述べる寸法や表面の影響を補正します。
同じ材料でも、表面の粗さ、部品の寸法、切欠き、引張の平均応力、腐食環境によって疲労限度は下がります。切欠きでは応力集中係数そのものではなく、材料の切欠きへの敏感さを含めた切欠き係数で補正します。腐食環境では表面にピットができ続けるので、疲労限度が現れなくなります。また10⁸回を超える超高サイクル域では、内部の介在物を起点に、破面にフィッシュアイとよばれる模様を残して破断することがあり、疲労限度は絶対の限界ではありません。
無限寿命の設計では、試験片の疲労限度に表面、寸法、信頼度などの係数を掛けて部品の値を見積もり、平均応力はグッドマン線図などで補正します。疲労き裂の多くは表面から始まるので、表面に圧縮の残留応力を入れる処理が効果的です。ショットピーニング、浸炭、窒化、高周波焼入れなどがその例で、表面を研磨して傷を減らすことや、鋼の介在物を減らすことも疲労限度の向上につながります。溶接した継手は、止端の形状と残留応力のために母材よりずっと低い疲労強度になるので、別の設計基準で扱います。
正解:B. 約225 MPa
σm/σB = 200/800 = 0.25 なので、σa = 300×(1 − 0.25) = 225 MPa です。引張の平均応力はき裂を開く向きに働くので、許される応力振幅は両振り(σm = 0)の値より小さくなります。修正グッドマン線図は、縦軸の σw と横軸の σB を直線で結んだ、安全側の目安です。約281 MPa は、平均応力の比を2乗する放物線のゲルバーの関係 300×(1 − 0.25²) で求めた値で、グッドマンより危険側の見積もりです。約100 MPa は、σB の代わりに σw で割ってしまった値です。圧縮の平均応力は疲労にむしろ有利に働くことが多いですが、設計ではふつうその効果を見込みません。
疲労強度は、決めた繰り返し数(例えば10⁷回)で破断する応力振幅で、時間強度ともよびます。疲労限度は、それ以下では実質的に破断しなくなる限界の応力振幅で、鋼のようにS-N曲線に水平部が現れる材料で使います。
回転曲げや軸荷重の疲労試験で、応力振幅を変えた多数の試験片の破断回数を測り、S-N曲線の水平部から求めます。応力を1段ずつ上下させるステアケース法などの統計的な方法で、平均値とばらつきを見積もることもあります。
アルミニウム合金のように水平部がない材料では、製品の寿命の間に受ける繰り返し数での時間強度を使います。応力振幅が変わる場合は、マイナー則で損傷を足し合わせて寿命を見積もります。
炭素鋼や低合金鋼では、S-N曲線が10⁶〜10⁷回付近で水平に近くなり、それより低い応力振幅では破断しにくくなる疲労限度が現れることが多くあります。
疲労のS-N曲線についての説明として正しいものはどれか。