応力拡大係数とは
おうりょくかくだいけいすう
き裂先端の応力場の強さを表す量。K = Yσ√(πa) で、応力とき裂長さの両方で決まり、臨界値に達するとき裂が不安定に進む。
「応力拡大係数」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労, 計算材料科学など)。
この用語の分野: 破壊力学と疲労
おうりょくかくだいけいすう
き裂先端の応力場の強さを表す量。K = Yσ√(πa) で、応力とき裂長さの両方で決まり、臨界値に達するとき裂が不安定に進む。
「応力拡大係数」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労, 計算材料科学など)。
この用語の分野: 破壊力学と疲労
弾性体の中のき裂の先端近くでは、応力は先端からの距離 r の平方根に反比例して大きくなり、σ ∝ K/√(2πr) の形になります。この分布の形はき裂や部材の形によらず同じで、強さだけが応力拡大係数 K で決まります。そのため、形の違う部品と試験片でも、K が同じならき裂先端は同じ状態にあるとみなせます。これが、小さな試験片で測った破壊靭性を実物の設計に使える理由です。実際には先端の近くは降伏して塑性域になるので、この考えは塑性域が十分小さい場合に成り立ちます。
応力拡大係数は K = Yσ√(πa) と書け、形状係数 Y は、き裂の形や位置、部材の幅、荷重のかかり方で決まります。無限に広い板の中央のき裂(長さ2a)では Y = 1、板の縁から入った短いき裂(縁き裂)では約1.12で、部材の幅に比べてき裂が大きくなると Y は増えます。多くの形について Y はハンドブックに式や表でまとめられています。弾性の範囲では、引張と曲げのように複数の荷重がかかるとき、同じモードの K は足し合わせることができ、残留応力による K も加えて評価します。
き裂が単位面積だけ進むときに解放される弾性エネルギーをエネルギー解放率 G といい、K とは平面応力で G = K²/E、平面ひずみで G = K²(1 − ν²)/E の関係があります。グリフィスの条件は G が表面をつくるエネルギーに等しくなることで、K で書けば K が臨界値 K_c に達することと同じ内容になります。モードIの臨界値が破壊靭性 K_IC で、繰り返しの負荷では K の変動幅 ΔK が疲労き裂の進展速度を決めます。このように K は、静的な破壊と疲労の両方の評価をつなぐ量です。
正解:B. 約0.57 mm
K/σy = 30/500 = 0.060 √m で、2乗すると 3.6×10⁻³ m、これを 2π ≈ 6.28 で割ると r_p ≈ 5.7×10⁻⁴ m、約0.57 mm です。弾性の解では、き裂先端の応力は 1/√r に比例して無限に大きくなりますが、実際には降伏応力を超える部分が塑性域になり、その大きさは (K/σy)² に比例します。約3.6 mm は 2π で割り忘れた値、約9.5 mm は2乗をとらずに 0.060/2π を長さとみなした値です。塑性域がき裂長さや板厚より十分小さいときに、K で破壊を評価する線形破壊力学が使えます。平面ひずみでは、塑性域はこの値の約3分の1になります。
正解:A. 中間の領域はパリス則 da/dN = C(ΔK)ᵐ の直線で、ΔK_th 未満ではき裂がほとんど進まない
この曲線はふつう3つの領域に分かれます。ΔK が下限界値 ΔK_th に近い低い領域では進展速度が急に小さくなり、ΔK_th より下ではき裂は実質的に進みません。中間の領域は両対数で直線になり、パリス則 da/dN = C(ΔK)ᵐ で表せます。指数 m は金属でおよそ2〜4です。最大の応力拡大係数 K_max が破壊靭性 K_IC に近づく高い領域では、速度が急に増えて不安定破壊に至るので、進展が止まるという説明は逆です。ΔK = YΔσ√(πa) は応力範囲とき裂長さの両方で決まるので、速度がき裂長さだけで決まるわけではありません。
応力集中係数 Kt は、丸みのある穴や切欠きの底の最大応力が平均の応力の何倍かを表す無次元の数です。き裂のように先端が鋭いと最大応力は理論上無限大になり Kt では表せないので、先端の応力場の強さを応力拡大係数 K(単位 MPa·√m)で表します。
K = Yσ√(πa) の σ が応力(MPa)、a がき裂の長さ(m)で、その平方根が掛かるので MPa·√m になります。応力が同じでも、き裂が4倍の長さになると K は2倍になります。単位に長さの平方根が入るのは、き裂の大きさの効果が含まれているためです。
き裂先端の塑性域が、き裂の長さや板厚、残りの断面に比べて大きい場合です。延性の高い材料や薄い板、高い荷重では塑性域が広がり、K だけでは状態を表せません。その場合は、塑性を含めた J積分やき裂先端開口変位(CTOD)などの弾塑性破壊力学の量を使います。
最大の応力拡大係数 K_max が破壊靭性 K_IC に近づく高い領域では、速度が急に増えて不安定破壊に至るので、進展が止まるという説明は逆です。
疲労き裂の進展速度 da/dN を、応力拡大係数の範囲 ΔK に対して両対数で描いた曲線についての説明として正しいもの…き裂の変形は、き裂面を引き離して開くモードI(開口型)、き裂面がき裂の進む向きにずれるモードII(面内せん断型)、き裂の前縁に平行にずれるモードIII(面外せん断型)の3つに分けられ、応力拡大係数も K_I、K_II、K_III と区別します。
き裂の変形様式(モード)のうち、モードIについての説明として正しいものはどれか。そのため、き裂は応力ではなく応力拡大係数やJ積分で評価し、先端には特異要素などを使います。
有限要素法で、穴や切欠きのある部品の弾性応力を計算するときの考え方として正しいものはどれか。破壊靭性 パリス則 有限要素法 エネルギー解放率 応力集中係数 グリフィスの理論 修正グッドマン線図 ストライエーション マイナー則