パリス則とは
ぱりすそく
疲労き裂の進展速度が応力拡大係数の範囲の累乗に比例するという経験則 da/dN = C(ΔK)ᵐ。き裂の進展寿命の見積もりに使う。
「パリス則」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労など)。
この用語の分野: 破壊力学と疲労
ぱりすそく
疲労き裂の進展速度が応力拡大係数の範囲の累乗に比例するという経験則 da/dN = C(ΔK)ᵐ。き裂の進展寿命の見積もりに使う。
「パリス則」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労など)。
この用語の分野: 破壊力学と疲労
疲労き裂の進展速度 da/dN を、応力拡大係数の範囲 ΔK = K_max − K_min に対して両対数で描くと、S字形の曲線になります。ΔK が小さい領域では、下限界値 ΔK_th に近づくと速度が急に小さくなり、それより下ではき裂は実質的に進みません。中間の領域では直線になり、これを da/dN = C(ΔK)ᵐ と表したのがパリス則です。ΔK が大きく、最大の応力拡大係数が破壊靭性に近づく領域では、速度が急に増えて最後は不安定破壊に至ります。設計で寿命の見積もりに使うのは、主に中間の領域です。
指数 m は金属でおよそ2〜4、セラミックスでは10を超えることもあります。m が大きいほど、応力やき裂長さのわずかな増加で進展速度が大きく変わります。定数 C は単位系によって値が変わるので、da/dN を m/cycle、ΔK を MPa·√m とするなど、データの単位をそろえて使います。中間の領域の速度は、鋼の中で組織や強度による違いが比較的小さいことも知られています。一方で、平均応力(応力比R)や環境、温度の影響を受けるので、使う条件で測ったデータを選ぶことが大切です。
ΔK = YΔσ√(πa) をパリス則に入れ、初めのき裂長さ a₀ から限界のき裂長さ a_f まで積分すると、き裂の進展に要する繰返し数が求まります。限界の長さは K_max = K_IC の条件で決まります。き裂が短いうちは進展が遅いので、寿命の大部分は初めのうちに費やされ、結果は a₀ の見積もりに強く左右されます。航空機などの損傷許容設計では、非破壊検査で見逃しうる大きさのき裂があると仮定し、それが限界に達する前に次の検査で見つかるように点検の間隔を決めます。
正解:B. 約5.1×10⁴ 回
m = 4 のとき da/dN = C(Δσ√π)⁴a² なので、変数を分けて積分すると N = (1/a₀ − 1/a_f)/[C(Δσ√π)⁴] です。C(Δσ√π)⁴ = 1.0×10⁻¹²×200⁴×π² ≈ 1.58×10⁻² m⁻¹、1/a₀ − 1/a_f = 1000 − 200 = 800 m⁻¹ なので、N ≈ 800/(1.58×10⁻²) ≈ 5.1×10⁴ 回です。約2.5×10⁵ 回は、初めの1.0 mmでの速度 1.58×10⁻⁸ m/cycle が最後まで続くとした値で、き裂が伸びると ΔK が増えて加速することを無視しています。約6.3×10⁴ 回は 1/a_f の項を落とした値です。寿命の大部分は、き裂がまだ短い初めのうちに費やされます。
いいえ、多くの実験データを整理して得られた経験則です。き裂先端の塑性変形や鈍化から指数を説明しようとするモデルはありますが、C と m はふつう材料ごとの試験で決めます。中間の領域でしか成り立たないことにも注意が必要です。
一定の振幅の荷重では、実質的に進まないとみなせる目安です。ただし、き裂がとても短い場合や、ときどき大きな荷重が混じる場合、腐食環境などでは、ΔK_th より小さいところでもき裂が進むことがあります。
同じ ΔK でも、R = σmin/σmax が大きい(平均応力が高い)ほど進展速度は大きく、ΔK_th は小さくなる傾向があります。主な理由の一つはき裂の閉口で、除荷の途中でき裂面どうしが接触すると先端に実際に効く ΔK が小さくなりますが、R が大きいほどこの効果が弱まるためです。
中間の領域は両対数で直線になり、パリス則 da/dN = C(ΔK)ᵐ で表せます。
疲労き裂の進展速度 da/dN を、応力拡大係数の範囲 ΔK に対して両対数で描いた曲線についての説明として正しいもの…応力拡大係数 破壊靭性 エネルギー解放率 応力集中係数 グリフィスの理論 修正グッドマン線図 ストライエーション マイナー則