エネルギー解放率とは
えねるぎーかいほうりつ
き裂が単位面積だけ進むときに解放される弾性エネルギー。G で表し、平面応力では G = K²/E。臨界値 G_c に達するとき裂が進む。
「エネルギー解放率」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労など)。
この用語の分野: 破壊力学と疲労
えねるぎーかいほうりつ
き裂が単位面積だけ進むときに解放される弾性エネルギー。G で表し、平面応力では G = K²/E。臨界値 G_c に達するとき裂が進む。
「エネルギー解放率」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(破壊力学と疲労など)。
この用語の分野: 破壊力学と疲労
エネルギー解放率 G は、き裂が単位面積だけ広がるときに、部材と荷重を合わせた系から解放されるエネルギーで、単位は J/m² です。名前に「率」とありますが、時間あたりの量ではなく、き裂の面積あたりの量です。荷重を一定に保った場合でも、変位を固定した場合でも、き裂が少し伸びるときの G は同じ値になります。G が、き裂を進めるのに必要なエネルギー、つまり材料の抵抗 R に達するとき裂が進むので、その臨界値 G_c は、材料の壊れにくさをエネルギーで表した破壊靭性になります。
線形弾性の範囲では、G と応力拡大係数 K は、平面応力で G = K²/E、平面ひずみで G = K²(1 − ν²)/E の関係で結ばれます。この式で破壊靭性をエネルギーに直すと、材料による違いがよくわかります。ソーダ石灰ガラス(K_IC 約0.75 MPa·√m、E 約70 GPa)では G_c は約8 J/m² で、表面エネルギーと同じ桁です。一方、K_IC が約50 MPa·√m、E が約210 GPa の鋼では約1×10⁴ J/m² になり、き裂の先端の塑性変形に、桁違いに多くのエネルギーが使われていることがわかります。
荷重 P と荷重点の変位の比(変位/荷重)をコンプライアンス C とすると、板厚 B の試験片では G = (P²/2B)(dC/da) と表せます。き裂の長さを変えたときのコンプライアンスの変化を測るか計算すれば、応力の分布を細かく解かなくても G が求まります。この方法は、繊維強化プラスチックの層の間のはく離のように、K を求めにくい問題でよく使われます。例えば、積層板の端に割れ目を入れ、両側に開くように引っ張る双片持ちはり(DCB)試験では、モードIの層間破壊靭性 G_IC を求めます。
延性のある材料や一部のセラミックスでは、き裂が伸びるにつれて塑性域が広がったり、き裂面どうしの橋かけが増えたりして、き裂の進展に対する抵抗 R が大きくなります。これを R 曲線と呼びます。このような材料では、G が R に達してもすぐには壊れず、き裂が少し伸びてから止まります。き裂が伸びるときの G の増え方が R の増え方を上回ったときに、き裂は不安定に進みます。荷重一定の条件は変位一定の条件より G がき裂とともに増えやすく、不安定になりやすいので、試験の方法や構造の支え方も破壊の進み方に影響します。
正解:A. き裂先端で塑性変形が起こり、その塑性仕事として多くのエネルギーが消費されるから
オロワンとアーウィンは、グリフィスの考えを金属に広げ、き裂が進むのに必要なエネルギーを G_c = 2γs + γp と表しました。γp はき裂先端の塑性域で消費される塑性仕事で、延性のある鋼では10⁴ J/m² を超え、2γs よりはるかに大きくなります。金属の表面エネルギーはおよそ1〜3 J/m² で、セラミックスと桁が変わるほどの違いはありません。金属にも介在物やき裂があり、グリフィスのエネルギーの収支は、塑性仕事を加えた形でそのまま土台として使われています。ガラスのように塑性変形しにくい材料では、G_c は 2γs と同じ桁の小さな値になります。
線形弾性で塑性域が小さい範囲では、どちらも同じ情報をもち、平面応力なら G = K²/E で換算できます。金属の設計では K がよく使われ、複合材料の層間はく離や接着の評価では G がよく使われます。モードが混ざる場合は、エネルギーとして足し合わせられる G が扱いやすいこともあります。
表面エネルギーは新しい表面をつくるのに必要な最小限のエネルギーで、G_c は実際にき裂を進めるのに必要なエネルギーです。ガラスでは両者は同じ桁ですが、金属では塑性変形の仕事が加わるので、G_c は表面エネルギーより桁違いに大きくなります。
同じです。J = N·m なので、J/m² は N/m と書けます。き裂の前縁の単位の長さあたりに働いて、き裂を前に進めようとする力と考えることもでき、その意味で、き裂進展力と呼ばれることもあります。