オッセオインテグレーションとは

おっせおいんてぐれーしょん

生きた骨とインプラントの表面が、線維性の組織を挟まずに直接接触し、荷重を伝えられる状態。チタンの歯科用インプラントで見いだされた。

「オッセオインテグレーション」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(生体材料など)。

この用語の分野: 生体材料

発見と定義

オッセオインテグレーションは、スウェーデンのブローネマルクが1950年代に、ウサギの骨に入れたチタン製の観察用の器具が骨と強く一体化して取り外せなくなったことから見いだした現象です。生きた骨とインプラントの表面が、光学顕微鏡の倍率で見て線維性の組織を挟まずに直接接し、荷重を伝えられる状態と定義されます。この考えをもとに、1960年代にチタン製の歯科用インプラントの臨床での使用が始まりました。現在では、セメントを使わない人工関節の固定など、整形外科でも同じ考え方が使われています。

成立に必要な条件

オッセオインテグレーションが得られるかどうかは、材料だけでは決まりません。表面の性質、骨を傷めない手術の方法、治癒の間の荷重のかけ方がそろう必要があります。ドリルで骨を削るときの発熱は大敵で、骨の温度が約47℃に1分ほど保たれるだけで骨の細胞が傷むという報告があり、冷やしながらゆっくり削ります。また、治癒の初めにインプラントが骨に対して大きく動くと、骨ではなく線維性の組織に包まれます。微小な動きが一般におよそ50〜150 µm を超えると骨ができにくいとされ、埋入した直後の固定(初期固定)を十分に得ることが大切です。

化学的な結合との違い

チタンのオッセオインテグレーションは、主に骨と表面が直接接触してかみ合う状態を指し、ハイドロキシアパタイトや生体活性ガラスのように、表面にできたアパタイトの層を介して骨と化学的に結合する生体活性とは区別されます。ただし、チタンの表面も TiO₂ の薄い不動態皮膜で覆われていて、体液の中のカルシウムやリン酸を吸着するので、両者の境目ははっきりしない部分もあります。表面を酸で処理したり、ブラスト処理で適度に粗くしたりすると、骨の接触する割合が増え、治癒の期間が短くなることが知られています。

評価の方法と長期の課題

動物実験では、インプラントを骨ごと取り出して標本をつくり、表面のうち骨が直接接している長さの割合(骨接触率)を測ります。臨床では、インプラントを回すのに必要なトルクや、インプラントに取り付けた小さな振動子の共振周波数から、固定の強さを評価します。いったん成立しても、ずっと保たれるとは限りません。歯科では、インプラントの周りに細菌による炎症が起こるインプラント周囲炎で骨が失われることがあり、過大な荷重も骨の吸収の原因になります。清掃と荷重の管理が、長く使うための条件です。

オッセオインテグレーションの練習問題に挑戦

歯科用インプラントなどで、純チタンについて言われるオッセオインテグレーションの説明として正しいものはどれか。

  1. A骨とインプラントの表面が線維性の組織を挟まずに直接接し、荷重を伝えられる状態
  2. Bインプラントが体内で徐々に溶けて吸収され、骨芽細胞がつくる新しい骨に置き換わる状態
  3. Cインプラントと骨のすき間を PMMA の骨セメントで埋め、機械的なかみ合いで固定した状態
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正解:A. 骨とインプラントの表面が線維性の組織を挟まずに直接接し、荷重を伝えられる状態

オッセオインテグレーションは、ブローネマルクがチタンで見いだした現象で、生きた骨とインプラントの表面が、線維性の結合組織を挟まずに直接接触し、荷重を伝えられる状態を指します。チタンの表面は厚さ数nmの TiO₂ の不動態皮膜で覆われ、体液の中で安定なので、骨がその表面に沿って形成されます。表面を適度に粗くすると骨がかみ合いやすくなり、固定が早まります。ハイドロキシアパタイトのような化学的な結合とは区別して、主に骨との直接の接触を表す言葉です。体内で吸収されて骨に置き換わるのは β-TCP などの生体吸収性材料の性質で、骨セメントによる固定はセメント固定と呼ばれる別の方法です。

よくある質問

オッセオインテグレーションにはどれくらいの期間がかかりますか。

ブローネマルクの従来の方法では、荷重をかけずに下顎で約3か月、上顎で約6か月待つのが目安でした。骨の質や表面の処理で期間は変わり、表面を粗くしたインプラントや初期固定のよい場合には、より早く荷重をかける方法も使われています。

チタン以外の材料でも起こりますか。

起こります。タンタルやニオブ、ジルコニアのセラミックスなどでも、骨が線維性の組織を挟まずに直接接する状態が報告されています。チタンとその合金は、強度、耐食性、加工のしやすさ、長い臨床の実績がそろっているので、最も広く使われています。

インプラントは、なぜ天然の歯と感触が違うのですか。

天然の歯は、歯根膜という薄い線維性の組織を介して骨につながり、わずかに動いて衝撃を和らげ、かむ力を感じ取ります。オッセオインテグレーションしたインプラントは骨に直接固定されて歯根膜がないので、ほとんど動かず、感覚も天然の歯とは違います。

解説の中の「オッセオインテグレーション」

「オッセオインテグレーション」が出てくる問題(1問)

  1. 歯科用インプラントなどで、純チタンについて言われるオッセオインテグレーションの説明として正しいものはどれか。

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