ハイドロキシアパタイトとは
はいどろきしあぱたいと
Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂ で表されるリン酸カルシウム。骨や歯の無機成分に近く、骨と直接結合する生体活性セラミックスとして使われる。Ca/P比は1.67。
「ハイドロキシアパタイト」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(生体材料など)。
この用語の分野: 生体材料
はいどろきしあぱたいと
Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂ で表されるリン酸カルシウム。骨や歯の無機成分に近く、骨と直接結合する生体活性セラミックスとして使われる。Ca/P比は1.67。
「ハイドロキシアパタイト」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(生体材料など)。
この用語の分野: 生体材料
ハイドロキシアパタイトは六方晶系の結晶で、Ca²⁺、PO₄³⁻、OH⁻ が規則正しく並んでいます。骨の無機成分はこれに近いアパタイトですが、炭酸イオンやマグネシウム、ナトリウムなどを含み、長さ数十nm程度の板状の微結晶がコラーゲン線維に沿って並んでいます。歯のエナメル質は無機成分が質量の9割を超え、結晶も大きく緻密です。合成したハイドロキシアパタイトは組成が定比に近く結晶も大きいので、骨のアパタイトより溶けにくいという違いがあります。人工の材料が骨になじむのは、この組成の近さによるところが大きいのです。
ハイドロキシアパタイトを骨の欠損に埋めると、表面でわずかな溶解と再析出が起こり、体液の中のカルシウムとリン酸から、骨のものに近いアパタイトの層ができます。この層の上で骨をつくる細胞が働いて新しい骨が形成され、材料と骨が線維性の膜を挟まずに結合します。生体活性ガラスや一部の結晶化ガラスも、同じように表面にアパタイトの層をつくって骨と結合します。材料が骨と結合できるかどうかは、人の血漿に近いイオン濃度の擬似体液に浸し、表面にアパタイトができるかで予測する方法がよく使われますが、これはあくまで目安です。
緻密に焼結したハイドロキシアパタイトでも、破壊靭性は約1 MPa·√m 程度と低くもろいので、大きな荷重がかかる部分を単独で支えることはできません。そのため、荷重のかからない骨の欠損の充填材、骨が中に入り込める多孔体、チタン合金のステムや歯科用インプラントの表面の薄い被膜として使われます。被膜はプラズマ溶射でつくることが多く、高温で一部が分解したり非晶質になったりすると体内で溶けやすくなるので、結晶性と密着の強さを管理します。強度は金属が、骨との結合は被膜が受け持つという分担です。
リン酸カルシウムには、Ca/P 比の違う多くの化合物があります。ハイドロキシアパタイト(Ca/P = 1.67)は中性付近の体液の中で最も溶けにくく、体内に長く残ります。β-TCP(1.50)はより溶けやすく、徐々に吸収されて骨に置き換わります。両者を混ぜた二相性のリン酸カルシウムでは、混合の比で吸収の速さを調節できます。合成では、粉末の Ca/P 比が1.67からずれると焼成のときに別の相ができるので、X線回折で相を確かめます。骨の欠損の充填材では、残ってほしい期間に合わせて、これらを使い分けます。
正解:C. 1.67
化学式の中に Ca が10個、P が PO₄ の6個分あるので、Ca/P = 10/6 ≈ 1.67 です。骨のアパタイトは炭酸イオンなどを含み、Ca/P がこれより少し低めになります。1.50 は、リン酸三カルシウム(TCP、Ca₃(PO₄)₂)の比 3/2 です。β-TCP はハイドロキシアパタイトより溶けやすく、体内で吸収されて骨に置き換わる生体吸収性の材料として使われます。1.33 は、リン酸八カルシウム(Ca₈H₂(PO₄)₆·5H₂O)の比 8/6 です。合成した粉末の Ca/P 比が1.67からずれると、焼成したときに β-TCP や CaO が副生するので、組成の管理が重要です。
長く形を保って骨と結合してほしい場所や金属の表面の被膜にはハイドロキシアパタイト、吸収されて自分の骨に置き換わってほしい骨の欠損にはβ-TCPを使うのが基本です。両者を混ぜて、吸収の速さを中間に調節することもあります。
破壊靭性が約1 MPa·√m と低くもろいため、歩行のような繰り返しの大きな荷重で割れるおそれがあるからです。荷重はチタン合金などの金属に持たせ、ハイドロキシアパタイトは表面の被膜や、荷重のかからない部分の充填材として使います。
結晶構造は同じ仲間ですが、骨のアパタイトは炭酸イオンなどを含み、Ca/P 比が1.67より低めで、結晶もナノメートルの大きさです。そのため、合成した定比のハイドロキシアパタイトより溶けやすく、骨の代謝の中で吸収と形成が繰り返されます。
β-TCP はハイドロキシアパタイトより溶けやすく、体内で吸収されて骨に置き換わる生体吸収性の材料として使われます。
ハイドロキシアパタイト Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂ の Ca/P のモル比はどれか。ハイドロキシアパタイト(Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂)は、骨や歯の無機成分とほぼ同じ組成のリン酸カルシウムで、体内では表面に骨と同じ種類のアパタイトの層ができ、骨と直接結合します。
骨と直接化学的に結合する、生体活性なセラミックスはどれか。ハイドロキシアパタイトのような化学的な結合とは区別して、主に骨との直接の接触を表す言葉です。
歯科用インプラントなどで、純チタンについて言われるオッセオインテグレーションの説明として正しいものはどれか。