体心立方格子とは
たいしんりっぽうこうし
立方体の頂点と中心に原子がある結晶構造(BCC)。単位胞の原子は2個、配位数8、充填率約0.68。α鉄、Cr、Wなど。
「体心立方格子」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(結晶構造とミラー指数など)。
この用語の分野: 結晶構造とミラー指数
たいしんりっぽうこうし
立方体の頂点と中心に原子がある結晶構造(BCC)。単位胞の原子は2個、配位数8、充填率約0.68。α鉄、Cr、Wなど。
「体心立方格子」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(結晶構造とミラー指数など)。
この用語の分野: 結晶構造とミラー指数
BCCでは、頂点の原子と体心の原子が体対角線の方向で接していて、最近接距離は √3a/2 です。α鉄(a = 0.2866 nm)では約0.248 nmになります。最近接の8個に加えて、距離 a のところに第2近接の6個があり、その距離は最近接の約1.15倍しか離れていません。α鉄、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、高温のβチタンなどがBCCで、W、Mo、Nb、Taといった融点の高い金属が多く含まれるのも特徴です。
BCCには原子が完全に最密に詰まった面がなく、すべり方向は最密方向の<111>に決まりますが、すべり面は{110}のほか{112}や{123}も働きます。一方、らせん転位の芯が立体的に広がるため、転位を動かす応力(パイエルス応力)が大きく、温度が下がると急に高くなります。そのためBCC金属は低温で降伏応力が大きく上がり、へき開による脆性破壊が起こりやすくなります。フェライト系の鋼に延性脆性遷移がはっきり現れるのはこのためです。
BCCは充填率が約0.68とFCCより低く、すき間の総体積は大きいのですが、そのすき間は多数の小さな位置に分かれています。剛体球で考えると、入る球の半径は母体の原子の半径の約0.29倍(四面体位置)と約0.15倍(八面体位置)です。α鉄の炭素の最大固溶限が約0.022 wt%と小さいのはこのためです。炭素や窒素は格子を非対称にゆがめるので強化の効果が大きく、転位に集まって降伏点現象やひずみ時効の原因にもなります。
純鉄は912℃以下でBCCのα鉄、912〜1394℃でFCCのγ鉄、1394℃から融点の1538℃まで再びBCCのδ鉄になります。BCCからFCCへの変態では原子1個あたりの体積が約1%減るので、熱膨張の測定で変態点がわかります。XRDでは、BCCは h + k + l が偶数の面だけが回折するので、(110)、(200)、(211)…の順にピークが現れます。FCCの(111)、(200)、(220)…とは並び方が違うので、ピークの指数から結晶構造を見分けられます。
正解:A. 2個
頂点の原子は8つの単位胞で共有されるので1個あたり1/8、体心の原子はその単位胞に丸ごと属します。よって正味の原子数は 8×1/8 + 1 = 2個です。9個は頂点の原子を共有を考えずに1個ずつ数えた誤りで、4個はFCC(頂点 8×1/8 + 面心 6×1/2 = 4)の値です。単位胞あたりの原子数nは、密度の計算 ρ = nM/(N_A a³) でそのまま使うので、構造ごとに確実に押さえておく必要があります。SCは1個、HCPの六角柱の単位では6個です。
最密方向は体対角線の<111>、最も原子の詰まった面は{110}です。ただし{110}面の面の充填率は約0.83で、FCCの{111}面(約0.91)より低く、真の最密面ではありません。
らせん転位を動かす応力が低温で急に大きくなり、降伏する前にへき開破壊の応力に達してしまうからです。シャルピー衝撃試験で吸収エネルギーが急に下がる温度域として現れます。
BCCではありません。頂点と体心にあるイオンの種類が異なるので、体心への並進で重ならず、ブラベー格子は単純立方格子です。BCCとよべるのは、頂点と体心が同じ原子の場合だけです。