面心立方格子とは
めんしんりっぽうこうし
立方体の頂点と各面の中心に原子がある結晶構造(FCC)。単位胞の原子は4個、配位数12、充填率約0.74。Cu、Al、Niなど。
「面心立方格子」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(結晶構造とミラー指数など)。
この用語の分野: 結晶構造とミラー指数
めんしんりっぽうこうし
立方体の頂点と各面の中心に原子がある結晶構造(FCC)。単位胞の原子は4個、配位数12、充填率約0.74。Cu、Al、Niなど。
「面心立方格子」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(結晶構造とミラー指数など)。
この用語の分野: 結晶構造とミラー指数
FCCは、原子が最も密に並んだ{111}面をABCABC…の順に積み重ねた構造で、立方最密構造ともよばれます。原子は面の対角線の方向で接しているので、最近接の原子間距離は a/√2 です。例えば銅(a = 0.3615 nm)では約0.256 nmになります。Cu、Al、Ni、Au、Ag、Pbのほか、γ鉄やオーステナイト系ステンレス鋼もこの構造をとります。多くのFCC金属が軟らかく延性に富み、加工しやすいことが、この構造を学ぶ大きな理由です。
FCCでは{111}<110>のすべり系が4面×3方向で12あり、多結晶が自由に形を変えるのに必要な独立なすべり系5つを、無理なく満たします。さらに、転位を動かすのに必要な応力(パイエルス応力)が小さく、温度にあまり依存しません。そのため液体窒素の温度でも延性を保ち、BCC金属のような延性脆性遷移をはっきり示しません。LNGタンクや極低温の容器にアルミニウム合金やオーステナイト系ステンレス鋼が選ばれるのはこのためです。
FCCの単位胞には、体心と12本の稜の中点にある八面体位置が正味4個、単位胞を8つに分けた小立方体の中心にある四面体位置が8個あります。剛体球で考えると、入る球の半径は母体の原子の半径の約0.414倍(八面体)と約0.225倍(四面体)です。γ鉄の炭素は八面体位置に入ります。また、NaCl型構造は陰イオンのFCCの八面体位置をすべて陽イオンが占めた形、せん亜鉛鉱型構造は四面体位置の半分を占めた形として理解できます。
FCCの完全転位 (a/2)<110> は、2本のショックレー部分転位 (a/6)<112> に分かれ、その間に積み重ねの順序がABCからずれた積層欠陥ができます。積層欠陥エネルギーが低い金属ほど部分転位の間隔が広く、交差すべりが起こりにくいので、加工硬化しやすく、焼なましで双晶ができやすくなります。一般に、アルミニウムは積層欠陥エネルギーが高く、銀やオーステナイト系ステンレス鋼は低い代表例で、加工硬化や再結晶の挙動の違いを説明する手がかりになります。
正解:B. 12
FCCでは、各原子が同じ{111}面の中で6個、その上と下の{111}面でそれぞれ3個の原子と接しているので、配位数は12です。これは同じ大きさの球を詰めたときの最大値で、HCPも同じ12になります。8はBCC(体心の原子が立方体の8つの頂点の原子と接する)の配位数で、6は単純立方格子(SC)の配位数です。配位数が大きい構造ほど充填率も高く、SCは約0.52、BCCは約0.68、FCCとHCPは約0.74です。Cu、Al、Ni、Au、γ鉄などがFCCの代表例です。
最密面の積み重ね方がFCCはABC、HCPはABで、すべり系の数が違うからです。FCCは12のすべり系で多結晶でも容易に変形しますが、HCPは底面すべりの系が少なく、室温の延性が低くなりがちです。
同じ構造です。単位胞の体対角線に垂直な{111}面が最密面で、それをABCの順に積み重ねた構造を、立方体の単位胞で表すと面心立方格子になります。
原子は面の対角線の方向で接しているので、最近接距離は面の対角線の半分の a/√2 で、原子半径の2倍に等しくなります。格子定数0.405 nmのアルミニウムなら約0.286 nmです。