柱状晶とは
ちゅうじょうしょう
鋳物の凝固で、表面のチル晶の内側に、熱が逃げる向きと逆向きに細長く伸びる結晶粒。中心部には等軸晶ができる。
「柱状晶」は、3分野の4問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープ, 金属材料と合金, 材料の加工と接合など)。
この用語の分野: 金属材料と合金
ちゅうじょうしょう
鋳物の凝固で、表面のチル晶の内側に、熱が逃げる向きと逆向きに細長く伸びる結晶粒。中心部には等軸晶ができる。
「柱状晶」は、3分野の4問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープ, 金属材料と合金, 材料の加工と接合など)。
この用語の分野: 金属材料と合金
型の壁にできた細かいチル晶の中から、すべての粒が内側へ伸びるわけではありません。立方晶の金属では、樹枝状晶(デンドライト)が最も速く伸びる向きが<100>で、この向きが熱の流れと逆向き(温度勾配の向き)に近い粒ほど先へ進みます。向きの悪い粒は隣の粒に追い越されて成長が止まるので、内側へ進むほど粒の数が減り、<100>がそろった細長い粒の帯が残ります。柱状晶の帯が方向によって性質の違う集合組織をもつのは、このような競合成長の結果です。
凝固の途中で柱状晶が等軸晶に変わること(CET: columnar-to-equiaxed transition)は、凝固の前線の温度勾配 G と成長速度 V、合金の成分で決まります。G が小さく V が大きいほど、また溶質が多いほど、前線の前の液が組成的に過冷却されて新しい核ができやすくなり、等軸晶に切り替わりやすくなります。逆に、注湯の温度を高くする(過熱度を大きくする)と、液中の結晶の破片が溶けてしまうので、柱状晶の帯が長くなります。CETの位置を制御することが、鋳造組織の設計の中心です。
柱状晶の帯は方向によって機械的性質が違ううえ、両側から伸びた柱状晶がぶつかる中心の面に、溶質や不純物、引け巣が集まりやすくなります(中心偏析)。このため鋼の連続鋳造では、電磁撹拌で液を動かして柱状晶の先端を折り、等軸晶の割合を増やします。アルミニウム合金では、Al-Ti-B系の微細化剤を加えて不均一核生成の場を増やし、柱状晶を防いで細かい等軸晶にします。鋳造したあとに熱間加工すれば、柱状晶の組織は再結晶で細かい粒に変わります。
柱状晶は欠点ばかりではありません。ジェットエンジンのタービン翼では、型の底から冷やして熱の流れを一方向にそろえ、翼の長さ方向に伸びた柱状晶だけでつくる一方向凝固が使われます。高温では応力に垂直な粒界がクリープの破壊の起点になりやすいので、それをなくすと寿命が大きく延びます。さらに、らせん状の通り道(セレクター)で1個の粒だけを選んで伸ばせば、粒界のない単結晶の翼になります。ここでも、<100>の向きが速く伸びるという性質が利用されています。
正解:C. 応力に垂直な粒界をなくしてクリープ損傷の起点を除き、単結晶では粒界の強化元素を減らせるので、高温で溶体化処理してγ'を均一に微細化できるから
タービン翼は遠心力で長さ方向に引っ張られ、応力に垂直な粒界がクリープのボイドやき裂の起点になります。一方向凝固では結晶粒を応力の方向にそろえた柱状晶にして、垂直な粒界をなくします。さらに、結晶を1つだけ選んで成長させた単結晶翼では、粒界そのものがありません。粒界を強化するためのC、B、Zrなどが不要になると、合金が溶け始める温度が上がり、溶体化処理を高温で行ってγ'をいったん固溶させ、均一に微細に析出させられます。強化元素を多く加えるとする説明は、この関係を逆にしています。単結晶にも転位はあり、クリープは粒内の転位の運動として起こります。
柱状晶は熱の流れに沿って一方向に細長く伸びた粒で、等軸晶はどの方向にもほぼ同じ大きさの粒です。等軸晶のほうが方向による性質の差が小さく偏析も分散するので、多くの鋳造品では等軸晶が好まれます。
立方晶の金属では、固液界面のエネルギーや原子の付きやすさの異方性によって、樹枝状晶の幹が<100>方向に最も速く伸びるからです。この向きが熱の流れに近い粒が、競合成長で生き残ります。
できます。溶融池の熱は周りの母材へ逃げるので、溶融境界から溶接の中心に向かって柱状晶が伸びます。中心で柱状晶がぶつかる面には不純物が集まり、凝固割れの原因になることがあります。
一方向凝固では結晶粒を応力の方向にそろえた柱状晶にして、垂直な粒界をなくします。
ジェットエンジンのタービン翼に、一方向凝固による柱状晶や単結晶のNi基超合金が使われる理由として正しいものはどれか。次に、型の壁へ熱が逃げる向き(内側から外側)と逆向きに、成長しやすい結晶方位の粒だけが選択的に伸び、内側へ向かう細長い柱状晶の帯ができます。
金型に溶けた金属を流し込んで凝固させた鋳塊の断面で、一般に見られる凝固組織の並びとして正しいものはどれか。熱間鍛造では、粗い柱状晶やデンドライトの鋳造組織が大きな変形と再結晶で壊され、細かい等軸の結晶粒になります。
同じ形状の炭素鋼の部品を、鋳造でつくった場合と熱間鍛造でつくった場合で比べると、一般に鍛造品のほうが靭性や疲労強度に優…高温の部品で粗粒化、応力に平行な柱状晶、さらに単結晶が使われるのはこのためです。
室温では結晶粒を細かくすると強度が上がる(ホール・ペッチの関係)が、高温で長時間荷重を受ける部品では、粗い結晶粒や単結…