材料の加工と接合

同じ形状の炭素鋼の部品を、鋳造でつくった場合と熱間鍛造でつくった場合で比べると、一般に鍛造品のほうが靭性や疲労強度に優れる。その理由として正しいものはどれか。

  1. A鋳造組織が壊れて結晶粒が細かくなり、内部の空隙も圧着され、形状に沿った鍛流線ができるから
  2. B熱間鍛造では回復や再結晶が起こらず大きな加工硬化が残り、硬さが鋳造品の数倍になるから
  3. C鍛造の大きなひずみでオーステナイトが安定になり、炭素鋼の結晶構造が室温までFCCのまま残るから
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正解:A. 鋳造組織が壊れて結晶粒が細かくなり、内部の空隙も圧着され、形状に沿った鍛流線ができるから

熱間鍛造では、粗い柱状晶やデンドライトの鋳造組織が大きな変形と再結晶で壊され、細かい等軸の結晶粒になります。内部の小さな引け巣や気孔も、表面とつながっていなければ圧着されてなくなります。さらに、介在物や偏析が変形の方向に引き伸ばされて、部品の形状に沿った筋状の鍛流線(ファイバーフロー)ができ、これに沿った方向の靭性や疲労強度が高くなります(流れを横切る方向ではかえって低くなるので、型の設計で流れを形状に沿わせます)。熱間加工では加工中に回復と再結晶が起こるので、加工硬化はほとんど残らず、大きな加工硬化が残るとする選択肢は誤りです。鍛造しても炭素鋼が室温までFCCのオーステナイトのまま残ることはないので、FCCのまま残るとする選択肢も誤りです。

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