CALPHAD法とは
かるふぁどほう
各相のギブスエネルギーを温度と組成の関数でモデル化し、実験値などに合わせたデータベースから、多元系の状態図や相の分率を計算する方法。
「CALPHAD法」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(計算材料科学など)。
この用語の分野: 計算材料科学
かるふぁどほう
各相のギブスエネルギーを温度と組成の関数でモデル化し、実験値などに合わせたデータベースから、多元系の状態図や相の分率を計算する方法。
「CALPHAD法」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(計算材料科学など)。
この用語の分野: 計算材料科学
CALPHAD法では、液相、固溶体、化合物などの各相について、ギブスエネルギーを温度と組成の関数として式で表します。固溶体では、純物質の項、理想的な混合のエントロピーの項、成分どうしの相互作用を表す過剰の項の和とし、過剰の項は組成の多項式(レドリッヒ・キスター式)で表します。化合物のように決まった位置に原子が入る相には、副格子モデルを使います。純物質の項には、元素ごとに共通の値がデータベースとして定められています。
式の中のパラメータは、状態図の相境界、熱容量、混合熱、活量などの実験値や、第一原理計算で求めた形成エネルギーに合うように決めます。この作業を熱力学的評価(アセスメント)といい、二元系、三元系の評価を積み重ねて多元系の熱力学データベースがつくられます。四元系以上の相互作用は小さいとして省くことが多く、これによって実験のない多元系の組成にも外挿できます。鋼、Ni基超合金、アルミニウム合金、はんだなどの実用の合金系でデータベースが整備されています。
与えられた温度、圧力、組成で、系全体のギブスエネルギーが最小になる相の組み合わせと各相の組成を求めると、状態図、相の分率、液相線温度などが得られます。これを使って、多元系の合金で有害な相が出ない組成の範囲を絞り込めます。拡散の移動度のデータと組み合わせて拡散や析出の速さを、フェーズフィールド法と組み合わせて組織の変化を計算することもできます。ただし、得られるのは平衡の状態で、精度はデータベースの評価の質と範囲に左右されます。
正解:B. 各相のギブスエネルギーのモデルを実験値などに合わせて決め、全体のギブスエネルギーが最小になる相の組み合わせから状態図を求める方法
CALPHAD(CALculation of PHAse Diagrams)法では、液相、固溶体、化合物などの各相のギブスエネルギーを、純物質の項、理想混合の項、相互作用を表す過剰の項の和で表します。そのパラメータを、状態図、熱容量、混合熱などの実験値や、第一原理計算で求めた形成エネルギーに合うように決め、熱力学データベースにまとめます。与えられた温度と組成で、系全体のギブスエネルギーが最小になる相と組成を求めると、状態図や相の分率が計算できます。電子の方程式を解くのは第一原理計算で、CALPHAD法はその結果を入力の1つとして使います。状態図の線を内挿するのではなく熱力学のモデルを使うので、実験のない温度や組成にも外挿できます。
正解:C. 主に二元系と三元系で評価したパラメータを組み合わせて多元系のギブスエネルギーを外挿する。得られるのは平衡状態で、評価の範囲を外れた組成では精度が下がる
多元系のすべての組成で実験するのは不可能ですが、ギブスエネルギーのモデルを使えば、二元系と三元系で決めたパラメータを組み合わせて多元系の値を外挿できます。四元系以上の相互作用は小さいとして省くことが多く、この考え方で実用合金の液相線温度、析出相の種類と分率、固溶限などを予測でき、合金設計の試行錯誤を大きく減らせます。ただし、得られるのは熱力学的な平衡の状態で、実際の組織が平衡に達するかどうかや変態の速さはわかりません。速さを扱うには、拡散の移動度のデータや析出の速度論の計算を組み合わせます。純物質の値だけでは、成分どうしの相互作用を表せません。
CALculation of PHAse Diagrams(状態図の計算)の略です。もとは状態図を計算する方法の名前でしたが、現在では、熱力学データベースをつくり、それを使って相平衡や熱力学量を計算する方法全体を指します。
第一原理計算は電子の状態から出発して、0 Kでの化合物のエネルギーなどを求めます。CALPHAD法は、その結果や実験値を使ってギブスエネルギーの式を決め、有限温度の多元系の相平衡を計算します。両者は競合するのではなく、第一原理計算がCALPHADのデータの一部を補う関係にあります。
ギブスエネルギーのモデルがデータベースにある相なら、安定な相を計算から除くことで、準安定な状態図を計算できます。鋼で黒鉛を除いて、セメンタイトとの平衡を計算するのがその例です。ただし、モデルのない相は計算できません。
CALPHAD(CALculation of PHAse Diagrams)法では、液相、固溶体、化合物などの各相のギブスエネルギーを、純物質の項、理想混合の項、相互作用を表す過剰の項の和で表します。
CALPHAD法についての説明として正しいものはどれか。ギブスエネルギー 密度汎関数理論 Ni基超合金 原子間ポテンシャル フェーズフィールド法 分子動力学法 マテリアルズ・インフォマティクス モンテカルロ法 有限要素法