共析反応とは
きょうせきはんのう
冷却時に1つの固相から2つの固相が同時に生じる反応。鋼では0.76 wt%C、727℃で γ → α + Fe₃C が起こりパーライトができる。
「共析反応」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(状態図とてこの規則など)。
この用語の分野: 状態図とてこの規則
きょうせきはんのう
冷却時に1つの固相から2つの固相が同時に生じる反応。鋼では0.76 wt%C、727℃で γ → α + Fe₃C が起こりパーライトができる。
「共析反応」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(状態図とてこの規則など)。
この用語の分野: 状態図とてこの規則
共析反応は、冷却すると1つの固相が2つの固相に同時に分かれる反応で、状態図では3相が共存する水平線(自由度0)として現れます。鋼では約0.76 wt%C、727℃で、オーステナイト(γ)がフェライト(α、約0.022 wt%C)とセメンタイト(Fe₃C、6.70 wt%C)に分かれます。この温度がA1点で、鋼の熱処理の温度の基準になります。共析反応は鋼のほか、Cu-Al系(アルミニウム青銅)などの合金にも見られます。
液体からの共晶反応と違って、共析反応は固体の中の拡散で進むため、反応には時間がかかります。そのため加熱と冷却で変態の温度がずれ、加熱時の Ac1 は727℃より高く、冷却時の Ar1 は低くなります。てこの規則で求めると、パーライトの中のフェライトの質量分率は (6.70 − 0.76)/(6.70 − 0.022) ≈ 0.89 です。両相の密度は近いので、フェライトとセメンタイトの層の厚さの比はおよそ8:1になります。
共析組成より炭素の少ない亜共析鋼では、まず初析フェライトが析出し、残りのオーステナイトが727℃でパーライトになります。炭素の多い過共析鋼では、初析セメンタイトが粒界に網目状に析出します。徐冷した亜共析鋼では、パーライトの面積率をfとすると炭素量は約 0.022 + 0.74f wt%と見積もれ、パーライトが半分なら約0.39 wt%になります。顕微鏡写真から、鋼の炭素量のおおよその見当をつけることができます。
状態図の727℃と0.76 wt%Cは、純粋なFe-C系の平衡の値です。合金元素を加えると共析点は動き、Mn、Niは共析温度を下げ、Cr、Si、Mo、W、Tiは上げます。また、多くの合金元素は共析の炭素量を小さくします。冷却が速いとA1点より低い温度で変態が起こり、層の間隔が細かいパーライトになり、さらに速いとベイナイトやマルテンサイトになります。実際の熱処理の条件は、状態図とTTT線図やCCT線図を組み合わせて決めます。
正解:C. L + α → β
包晶反応は、冷却するときに液相Lと先に晶出した固相αが反応して、別の固相βができる反応 L + α → β です。新しいβ相がα粒を包むようにできることからこの名があります。Fe-C系では約1495℃で δ + L → γ が起こり、Cu-Zn系やCu-Sn系にも多く見られます。L → α + β は液相から2つの固相が同時にできる共晶反応、γ → α + β は固相から2つの固相ができる共析反応(Fe-C系の γ → α + Fe₃C など)です。包晶反応では生成したβがαを覆って拡散を妨げるので、実際の凝固では反応が終わりきらず、αが残りやすくなります。
いずれも使われていて、状態図のデータの出典による違いです。熱力学データの評価の違いで値が少しずれるので、教科書や問題では、そこで与えられた値に合わせて計算します。
鉄鋼の共析反応の温度(平衡では727℃)のことで、これより下ではオーステナイトが安定に存在できません。焼戻しはA1点より低い温度、焼入れや焼ならしはA1点またはA3点より高い温度に加熱して行います。
1つの相ではなく、フェライトとセメンタイトの2相が層状に並んだ組織です。相律やてこの規則で「相」を数えるときは、パーライトを2相に分けて考えます。
L → α + β は液相から2つの固相が同時にできる共晶反応、γ → α + β は固相から2つの固相ができる共析反応(Fe-C系の γ → α + Fe₃C など)です。
包晶反応を表す式として正しいものはどれか。冷却するときの向きで表すとする。727℃に達すると、残りのオーステナイト(約0.76 wt%C)が共析反応でパーライトになるので、室温の組織は初析セメンタイトとパーライトになります。
1.2 wt%Cの過共析鋼をオーステナイト域から徐冷したとき、室温で得られる組織はどれか。