焼入れ性とは
やきいれせい
焼入れでマルテンサイトが得られる深さ(焼きの入りやすさ)。Mn、Cr、Moなどの合金元素でTTT線図のノーズが長時間側へ移ると高くなる。
「焼入れ性」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(熱処理と金属材料, 材料の加工と接合など)。
この用語の分野: 熱処理と金属材料
やきいれせい
焼入れでマルテンサイトが得られる深さ(焼きの入りやすさ)。Mn、Cr、Moなどの合金元素でTTT線図のノーズが長時間側へ移ると高くなる。
「焼入れ性」は、2分野の2問の練習問題に出てきます(熱処理と金属材料, 材料の加工と接合など)。
この用語の分野: 熱処理と金属材料
焼入れ性は、焼入れでどの深さまでマルテンサイトにできるか(焼きの入りやすさ)を表します。一方、焼入れでできるマルテンサイトの最高の硬さ(焼入れ硬さ)は、主に炭素量で決まり、合金元素の影響は小さいものです。そのため、合金元素を加えて焼入れ性を高めても、表面の最高硬さはあまり変わらず、硬い層が深くなります。炭素量は硬さを、合金元素とオーステナイトの結晶粒の大きさは焼入れ性を主に決めると整理すると理解しやすくなります。
焼入れ性は、ジョミニー試験(一端焼入れ試験)で評価します。直径25 mm、長さ100 mm程度の丸棒をオーステナイト化したあと、一端に水を噴き付けて冷やすと、端からの距離によって冷却速度が連続的に変わります。冷えたあと、側面を削って端からの距離ごとに硬さを測ると、ジョミニー曲線が得られます。硬さがゆっくり下がる鋼ほど焼入れ性が高く、焼入れ性を保証したH鋼(SCM435Hなど)は、この曲線の上限と下限の帯で規定されています。
焼入れ性を部品の大きさで表したのが臨界直径で、丸棒の中心が50%マルテンサイトになる最大の直径です。冷却能力が無限大の理想的な焼入れでの値を理想臨界直径とよび、炭素量と粒度から基本の値を求め、各合金元素の倍数を掛けて見積もる方法があります。同じ鋼でも、太い部品ほど中心の冷却が遅く焼きが入りにくくなる現象を質量効果といい、焼入れ性の低い炭素鋼ほど大きく現れます。冷却能力は、水、油、ポリマー水溶液などの冷却剤でも変わります。
Mn、Cr、Mo、Niなどの合金元素や、0.001〜0.003%程度のわずかなBが焼入れ性を高めます。オーステナイトの結晶粒が粗いほど粒界の核生成の場所が減るので焼入れ性は上がりますが、靭性は下がります。部品が太いほど焼入れ性の高い鋼が必要ですが、焼入れ性が高すぎると焼割れやひずみが起こりやすく、溶接では熱影響部が硬くなって割れやすくなります。必要な深さまで焼きが入る範囲で、最小限の焼入れ性の鋼を選ぶのが基本です。
正解:B. TTT線図のノーズが長時間側へ移り、遅い冷却でもマルテンサイトになりやすいから
焼入れ性は、焼入れでマルテンサイトが得られる深さ(焼きの入りやすさ)のことです。Mn、Cr、Moなどの合金元素は、オーステナイトからのパーライト変態やベイナイト変態を遅らせ、TTT線図やCCT線図のノーズを長時間側へ移します。そのため臨界冷却速度が下がり、太い部材の中心部や、油冷のような遅い冷却でもマルテンサイトになりやすくなります。ノーズが短時間側へ移ると、逆に焼きが入りにくくなります。多くの合金元素はMs点をむしろ下げるので、焼入れ性の向上の理由ではありません。焼入れ性はジョミニー試験(一端焼入れ試験)で評価します。
いいえ。焼入れ性が高いと深くまで焼きが入りますが、マルテンサイトの最高の硬さは主に炭素量で決まります。同じ炭素量なら、合金鋼と炭素鋼の表面の焼入れ硬さはほぼ同じです。
同じ鋼でも、部品が太いほど内部の冷却が遅くなって焼きが入りにくくなる現象です。焼入れ性の低い炭素鋼で大きく、合金鋼では小さくなります。太い部品の中心まで硬くしたいときは、焼入れ性の高い鋼を選びます。
Bがオーステナイトの粒界に偏析して、粒界からのフェライトの核生成を抑えるからです。0.001〜0.003%程度で効果があり、窒素と結びつかないようにTiなどを一緒に加えて使います。
焼入れ性は、焼入れでマルテンサイトが得られる深さ(焼きの入りやすさ)のことです。
鋼にMn、Cr、Moなどの合金元素を加えると焼入れ性が向上する。その理由として正しいものはどれか。炭素当量は、それぞれの合金元素が焼入れ性を高める効果を炭素の量に換算して合計したものです。
鋼の溶接性の目安となる炭素当量を Ceq = C + Mn/6 + (Cr + Mo + V)/5 + (Ni + C…