材料選択図(アシュビーの図)とは
ざいりょうせんたくず
ヤング率と密度など2つの性質を両対数の軸にとり、材料群ごとの範囲を描いた図。性能指数が一定の線が直線になり、候補の比較に使う。
「材料選択図(アシュビーの図)」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(材料選択と設計など)。
この用語の分野: 材料選択と設計
ざいりょうせんたくず
ヤング率と密度など2つの性質を両対数の軸にとり、材料群ごとの範囲を描いた図。性能指数が一定の線が直線になり、候補の比較に使う。
「材料選択図(アシュビーの図)」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(材料選択と設計など)。
この用語の分野: 材料選択と設計
材料選択図は、ヤング率と密度、強さと密度、破壊靭性と強さのように、2つの性質を縦軸と横軸にとって、多数の材料の値の範囲を描いた図です。値は何桁にもわたるので、両方の軸を対数目盛にします。同じ材料群は近い場所に集まり、ヤング率と密度の図では、セラミックスと金属が右上、高分子と木材が中ほど、発泡体が左下の領域を占めます。個々の材料は、組成や加工でばらつく範囲を楕円や泡の形で示し、材料群はそれを包む大きな領域で表します。
性能指数が一定になる条件を対数で書くと直線になります。例えば E/ρ = C なら log E = log ρ + log C で傾き1、√E/ρ = C なら傾き2、∛E/ρ = C なら傾き3の直線です。この線に平行な線の上の材料は、その用途で同じ性能をもち、線を左上へ平行移動するほど性能が高くなります。図にこの線を引いて少しずつずらしていけば、線より上に残る材料が有望な候補として絞り込まれます。荷重のかかり方で傾きが変わるので、同じ図でも用途によって勝つ材料が入れ替わります。
アシュビーの方法では、まず設計の要求を機能・制約・目的・自由変数に整理し、使用温度や耐食性のような制約で候補をふるい落とします。次に、目的から導いた性能指数で残った候補を順位づけし、最後に上位の候補について、実際の形状への加工のしやすさ、接合、価格の変動、使用実績などの資料を調べて決めます。材料選択図は、このふるい分けと順位づけを目で見て行う道具です。最初から特定の材料に決めつけず、材料群をまたいで候補を見渡せることが、図を使う大きな利点です。
正解:B. 2
√E/ρ = C(一定)とおくと E = C²ρ² なので、両辺の対数をとると log E = 2 log ρ + 2 log C となり、傾き2の直線になります。この線に平行な線の上の材料は同じ性能で、線を左上へ平行移動するほど √E/ρ が大きい、つまり同じ剛性の梁を軽くつくれる材料になります。傾き1は E/ρ 一定(タイ)の線、傾き3は ∛E/ρ 一定(パネル)の線です。傾き1/2は、縦軸と横軸を取り違えて log ρ = (1/2) log E + 一定 の傾きを読んだ誤りです。両対数の図では、性能指数の指数の違いが線の傾きの違いとして現れるので、1枚の図で荷重のかかり方ごとに材料の順位を読み取れます。
ヤング率は発泡体の約0.001 GPaからダイヤモンドの約1000 GPaまで、何桁にもわたるからです。また、べき乗の形の性能指数が直線で表せるので、比較が簡単になります。
いいえ。図は候補を絞るための道具で、値は材料群の代表的な範囲です。最終的には、具体的な合金や品種のデータ、加工法、コスト、実績を調べて決めます。
あります。強さと密度の図では σf/ρ や ∛(σf²)/ρ のガイドラインを、破壊靭性と強さの図では K_IC/σy の線を引いて、軽くて強い材料や壊れにくい材料を探します。