パレート最適とは
ぱれーとさいてき
複数の目的のどれかを良くすると、ほかの目的が必ず悪くなる状態。競合する目的の候補はパレート前線の上から交換定数を使って選ぶ。
「パレート最適」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(材料選択と設計など)。
この用語の分野: 材料選択と設計
ぱれーとさいてき
複数の目的のどれかを良くすると、ほかの目的が必ず悪くなる状態。競合する目的の候補はパレート前線の上から交換定数を使って選ぶ。
「パレート最適」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(材料選択と設計など)。
この用語の分野: 材料選択と設計
目的が2つ以上ある材料選択では、ある候補が別の候補より、すべての目的で同じか良く、少なくとも1つで確かに良いとき、前者は後者を支配するといいます。ほかのどの候補にも支配されない候補がパレート最適な候補で、イタリアの経済学者パレートの名が付いています。質量とコストを横軸と縦軸にとると、パレート最適な候補は左下の縁に沿って並び、これをパレート前線(トレードオフ曲線)と呼びます。前線より右上にある支配された候補は、どんな重みづけでも選ばれないので、最初に除いてかまいません。
前線の上の候補から1つを選ぶには、目的どうしの交換の比率を決めます。質量mとコストCなら、ペナルティ関数 Z = αm + C を最小にする候補を選び、αは質量を1 kg減らすために払ってよい金額(交換定数)です。例えば、A(10 kg、2000円)、B(6 kg、4000円)、C(4 kg、20000円)の3つの候補では、α = 300円/kg ならA、2000円/kg ならB、10000円/kg ならCが最小になります。αは製品の性格で決まり、軽さが燃料の節約に直結する航空機や宇宙機では、自動車よりずっと大きな値になります。
パレート最適は「最良」ではなく「これ以上どちらも良くはできない」という意味で、ふつう候補は1つに決まりません。前線のどこを選ぶかは、交換定数のような価値の判断を加えて初めて決まります。単位の違う目的を正規化せずにそのまま足すと、結果は数値の大きさに引きずられます。重みつきの和で選ぶ方法には、前線がへこんだ形のとき、へこんだ部分の候補は重みをどう変えても選ばれないという性質もあります。なお、上位20%が全体の80%を占めるというパレートの法則は、同じ人名に由来する別の概念です。
材料選択図では、2つの性能指数を両対数の軸にとり、候補の材料をプロットしてパレート前線を引きます。両対数の図では Z = αm + C が一定の線は直線にならず曲線になるので、αをいくつか変えて前線に接する点を読むと、交換定数による選択の変わり方がわかります。合金の組成や工程の条件を探すマテリアルズ・インフォマティクスでも、強度と延性、性能とコストのように競合する目的を同時に扱うことが多く、遺伝的アルゴリズムなどの多目的最適化でパレート前線を求め、その中から実験する候補を選ぶ方法が使われています。
正解:B. どの候補にも両方の目的で同時には負けないパレート最適な候補を集め、質量とコストの交換の比率を決めて選ぶ
目的が競合するときは、まず、ほかのどの候補にも両方の目的で同時に負けていない候補を選び出します。これらはトレードオフの曲線(パレート前線)の上に並び、前線の上ではどちらかを良くすると他方が悪くなります。最終的には、質量を1 kg減らすのに何円まで払えるかという交換定数を決め、質量とコストを1つの評価関数(ペナルティ関数)にまとめて選びます。航空機のように軽さの価値が高い製品では高価でも軽い材料が、一般の製品では安い材料が選ばれるのはこのためです。一方の目的で最良の材料が他方でも最良とは限らないので、一方で最良なら他方でも必ず最良になるとする選択肢は誤りです。単位の違う量をそのまま足すと、数値の大きさが単位の選び方で変わってしまい、意味のある比較になりません。
ほかのどの候補にも支配されない、パレート最適な候補を結んだ線(目的が3つ以上なら面)です。2つの目的をともに小さくしたい場合は、図の左下の縁にあたります。前線の上では、一方の目的を良くすると他方が必ず悪くなります。
質量を1 kg減らしたときに得られる価値を、燃料の節約や積める荷物の増加などから金額に換算して決めます。製品の種類で大きく違い、一般の自動車よりも航空機、航空機よりも宇宙機で大きくなります。値に幅がある場合は、αを変えて選ばれる候補が変わるかを確かめます。
名前の由来は同じパレートですが、内容は別のものです。パレートの法則は、所得の分布などで少数の要素が全体の大部分を占めるという経験則です。パレート最適は、どれかの目的を悪くしないと別の目的を良くできない状態を指す、最適化の概念です。
これらはトレードオフの曲線(パレート前線)の上に並び、前線の上ではどちらかを良くすると他方が悪くなります。
部品の質量とコストという2つの目的を同時に小さくしたいが、軽い材料ほど高価で、両方で最良の材料がない。このような場合の…