犠牲陽極とは
ぎせいようきょく
守りたい金属より卑な亜鉛、アルミニウム合金、マグネシウムなどを電気的につなぎ、先に溶かして金属をカソードとして防食する陽極。
やさしい解説で読む: 鉄はなぜ錆びる? ステンレスやトタンが錆びにくいわけ
「犠牲陽極」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(腐食と表面処理など)。
この用語の分野: 腐食と表面処理
ぎせいようきょく
守りたい金属より卑な亜鉛、アルミニウム合金、マグネシウムなどを電気的につなぎ、先に溶かして金属をカソードとして防食する陽極。
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「犠牲陽極」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(腐食と表面処理など)。
この用語の分野: 腐食と表面処理
電気防食には、守りたい金属より卑な金属をつないで、その溶解で生じる電流を利用する流電陽極方式(犠牲陽極方式)と、直流電源から電流を流す外部電源方式があります。犠牲陽極は電源も配線の管理もいらず、設置が簡単で、ほかの構造物へ迷走電流を流す心配も少ないのが利点です。一方、取り出せる電圧が小さいので、電気抵抗の大きい土壌や淡水では電流が足りなくなりやすく、大きな構造物や抵抗の大きい環境では外部電源方式が選ばれます。
海水中では、亜鉛と、InやZnを加えたアルミニウム合金の陽極が主に使われます。純アルミニウムは表面に不動態皮膜ができて溶けにくくなるので、Inなどを加えて皮膜をできにくくし、安定して溶けるようにしています。マグネシウムは電位が最も卑で取り出せる電圧が大きいので、抵抗の大きい土壌の配管や淡水の設備に使われます。ただし海水中では電流が流れすぎて早く消耗し、鋼を過剰に防食することがあるので、あまり使われません。陽極は、電位と、質量あたりに出せる電気量、価格で選びます。
陽極が出せる電気量はファラデーの法則で決まり、理論値は亜鉛で約820 Ah/kg、アルミニウムで約2980 Ah/kg、マグネシウムで約2200 Ah/kgです。実際には自己腐食などで一部が防食に使われずに失われるので、取り出せる電気量は理論値より小さく、特にマグネシウムでは理論値の半分程度とされます。例えば1 Aの防食電流を1年間流すには8760 Ahが必要で、理論値で計算しても亜鉛は約11 kg要ります。設計では、必要な電流と年数、陽極の使える割合から、陽極の数と交換の時期を決めます。
犠牲陽極で守れているかは、構造物の電位を照合電極で測って判断します。鋼の防食の基準として、海水中では銀・塩化銀電極に対して−0.80 Vより卑な電位、土壌中では飽和硫酸銅電極に対して−0.85 Vより卑な電位がよく使われます。電位が卑になりすぎると、表面で水素が発生して高強度鋼の水素ぜい化や塗膜のはく離を招くので、防食のしすぎにも注意が必要です。陽極は消耗品なので、残りの量を定期的に点検し、なくなる前に交換します。
正解:A. 約0.32 V、亜鉛が溶けて鋼が守られる
起電力は、カソード側(貴な鉄)の電位からアノード側(卑な亜鉛)の電位を引いて、E = −0.44 − (−0.76) = 0.32 V です。卑な亜鉛がアノードとなって Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ と溶け、その電子が鋼へ流れ込んで鋼をカソードにするので、鋼の溶解が抑えられます。これが犠牲陽極による防食(流電陽極方式)で、船体や港湾の鋼構造物、地中の配管などに使われ、陽極は消耗するので定期的に交換します。約1.20 Vは、2つの電位の大きさを足してしまった誤りです。約0.32 Vで鋼が溶けるとした選択肢は、貴と卑の向きを逆にしています。実際の海水中の電位は標準電極電位とは異なりますが、亜鉛が鋼より卑である関係は同じです。
同じ原理です。亜鉛めっきは、鋼の表面全体に犠牲陽極の層をつけたものと考えられ、傷で鋼が露出しても、まわりの亜鉛が先に溶けて鋼を守ります。
防食に必要な電流と陽極の質量で決まり、設計によって数年から数十年まで幅があります。船体では、ドックに入るたびに減り具合を点検して交換するのが一般的です。
陽極は自分が溶けることで電流を出すので、塗装で表面を覆うと電流が流れなくなり、防食の働きを失うからです。船体を塗り替えるときも、陽極は塗らずに残します。
これが犠牲陽極による防食(流電陽極方式)で、船体や港湾の鋼構造物、地中の配管などに使われ、陽極は消耗するので定期的に交換します。
海水中で鋼構造物に亜鉛の犠牲陽極を取り付けた。標準電極電位を Fe²⁺/Fe で −0.44 V、Zn²⁺/Zn で …