SEM(走査電子顕微鏡)とは
せむ
細く絞った電子線で試料表面を走査し、出てくる二次電子や反射電子を検出して表面の形状や組成の違いを観察する顕微鏡。
「SEM(走査電子顕微鏡)」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS), 破壊力学と疲労など)。
この用語の分野: 材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS)
せむ
細く絞った電子線で試料表面を走査し、出てくる二次電子や反射電子を検出して表面の形状や組成の違いを観察する顕微鏡。
「SEM(走査電子顕微鏡)」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS), 破壊力学と疲労など)。
この用語の分野: 材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS)
SEMでは、数kV〜30 kV程度に加速した電子線を数nmまで細く絞り、試料の表面を走査します。電子線が当たった場所から出てくる二次電子や反射電子の量を、走査と同期させて明るさとして表示すると、像ができます。光学顕微鏡に比べて分解能が高く(数nm程度)、焦点深度が深いので、凹凸の大きな破面や粉末も全体にピントの合った立体的な像で観察できます。試料は導電性が必要で、絶縁物は金属や炭素を薄く蒸着するか、低い加速電圧で観察します。
二次電子はエネルギーが50 eV以下と低く、表面から数nmの深さからしか出てこられないので、表面の傾きやエッジを強く反映した形状の像になります。反射電子は入射電子が原子で散乱されて戻ってきたもので、エネルギーが高く、より深い領域から出ます。反射電子の量は原子番号が大きいほど多いので、重い元素の部分が明るい組成像になり、結晶の向きによるチャネリングのコントラストも得られます。両方の像を見比べると、形状と組成の違いを区別できます。
電子線が当たると、元素に固有のエネルギーをもつ特性X線も出ます。これをEDSやWDSで分析すれば、点・線・面での元素の分布がわかります。特性X線は電子が広がる約1 µmの領域から出るので、元素分析の空間分解能は像の分解能よりかなり悪くなる点に注意が必要です。試料を大きく傾けて反射電子の回折パターンを解析するEBSDでは、結晶粒ごとの方位、粒界の性格、相の分布を地図のように得られ、集合組織や再結晶の評価に役立ちます。
故障解析では、破面の観察で延性破壊のディンプル、疲労のストライエーション、脆性破壊のへき開面などを見分け、破壊の原因を推定します。断面の観察では、研磨やイオンミリング、FIBで断面を出し、配線のボイド、はんだ接合部の金属間化合物、膜の剥離などを調べます。異物の分析ではEDSで元素を確認し、発生源の推定に役立てます。電子線による帯電、試料の損傷、汚染(カーボンの付着)にも注意して、加速電圧や電流などの条件を選びます。
正解:A. 二次電子は表面の凹凸を、反射電子は原子番号による組成の違いをよく表す
二次電子はエネルギーが50 eV以下の低い電子で、試料の表面から数nm程度の深さからしか出てこられません。そのため表面の傾きや凹凸、エッジの影響を強く受け、立体感のある形状の像になります。反射電子は入射電子が試料の原子で散乱されて戻ってきたもので、エネルギーが高く、より深い領域から出てきます。反射電子の量は原子番号が大きいほど多いので、重い元素の部分が明るく写る組成像が得られます。二次電子像が原子番号の違いを、反射電子像が凹凸を表すとする選択肢は両者の役割が逆で、脱出深さが同じというのも誤りです。故障解析では、両方の像を見比べて異物や析出物を探します。
正解:B. WDSのほうがエネルギー分解能が高く、EDSは多くの元素を同時に短時間で測定できる
EDSは半導体検出器でX線のエネルギーを直接測るので、すべての元素のピークを同時に短時間で取得でき、SEMに手軽に取り付けられます。ただしエネルギー分解能は約130 eV程度で、Si KαとW Mα、S KαとMo Lαのように近いピークを分離しにくい欠点があります。WDSは分光結晶でのブラッグ反射で波長を選ぶので、分解能が約10 eV程度と1桁高く、微量元素の検出や定量の精度にも優れますが、分光結晶の角度を元素ごとに走査するので時間がかかります。EDSのほうが分解能が高いとする選択肢と、WDSのほうが速いとする選択肢は、両者の特徴を入れ替えています。
SEMは表面から出る電子で表面の形状や組成を観察し、試料は厚くてもかまいません。TEMは薄片を透過した電子で内部の結晶構造や欠陥を原子レベルで観察します。
金、白金、炭素などを数nm蒸着して導電性をもたせるか、帯電しにくい低い加速電圧や、試料室にガスを入れる低真空モードを使います。
電界放出形の電子銃を使う装置では1 nm前後まで達しますが、試料や加速電圧、検出器で変わります。EDSによる元素分析の分解能はそれよりかなり粗く、1 µm程度になることもあります。
EDSは半導体検出器でX線のエネルギーを直接測るので、すべての元素のピークを同時に短時間で取得でき、SEMに手軽に取り付けられます。
SEMやEPMAで特性X線を分析するEDS(エネルギー分散型)とWDS(波長分散型)の比較として正しいものはどれか。深さ数µmの平均組成を調べるのは、SEMのEDSなどの役割です。
XPS(X線光電子分光法)の検出深さと、それで得られる情報として正しいものはどれか。EDS(エネルギー分散型X線分光法) 焼戻し XPS(X線光電子分光法) XRD(X線回折) シェラーの式 SIMS(二次イオン質量分析法) 消滅則 ブラッグの法則