キュリー温度とは
きゅりーおんど
強磁性体(や強誘電体)が自発磁化(自発分極)を失う温度。これより高温で常磁性になる。鉄は約770℃、ニッケルは約358℃。
「キュリー温度」は、3分野の4問の練習問題に出てきます(磁性材料, 電子・磁性・光学材料, 材料の熱的性質など)。
この用語の分野: 電子・磁性・光学材料
きゅりーおんど
強磁性体(や強誘電体)が自発磁化(自発分極)を失う温度。これより高温で常磁性になる。鉄は約770℃、ニッケルは約358℃。
「キュリー温度」は、3分野の4問の練習問題に出てきます(磁性材料, 電子・磁性・光学材料, 材料の熱的性質など)。
この用語の分野: 電子・磁性・光学材料
強磁性体では、交換相互作用で原子の磁気モーメントの向きがそろい、自発磁化が生じています。温度を上げると熱運動がこの秩序を乱し、自発磁化はしだいに小さくなって、キュリー温度で0になります。それより高温では常磁性になります。キュリー温度は、鉄で約770℃(1043 K)、ニッケルで約358℃、コバルトで約1120℃、ガドリニウムでは約20℃で、ネオジム磁石の主相Nd₂Fe₁₄Bは約310℃、磁鉄鉱(Fe₃O₄)は約580℃です。
キュリー温度より高い温度では、磁化率がキュリー・ワイスの法則 χ = C/(T − θ) に従い、温度が下がってθに近づくほど急に大きくなります。θは常磁性キュリー温度とよばれ、キュリー温度に近い値です。強誘電体でも同じように、キュリー温度の付近で誘電率が非常に大きくなり、BaTiO₃では約120℃で誘電率が鋭い極大を示します。キュリー温度は、磁気天秤で磁化の温度変化を測る方法や、DSCや熱膨張の小さな異常から求められます。
鉄は770℃で強磁性を失いますが、結晶構造はBCCのα鉄のままで、FCCに変わるのは912℃です。かつてこの間の鉄をβ鉄とよびましたが、構造の変化を伴わないので現在は別の相とはみなしません。また、反強磁性体の秩序が消える温度はネール温度とよび、キュリー温度とは区別します。永久磁石は、キュリー温度よりずっと低い温度でも保磁力が下がって不可逆な減磁を起こすので、最高の使用温度はキュリー温度よりかなり低く決められます。
キュリー温度で磁性が急に変わることは、温度の制御に使われています。例えば炊飯器では、ある温度で磁石に付かなくなる感温フェライトを使い、ご飯が炊けて温度が上がると加熱を切る仕組みがありました。ある種のはんだごてでは、こて先の磁性体がキュリー温度で発熱しにくくなることを使って、温度を自動的に一定に保ちます。岩石の磁鉄鉱がキュリー温度より下に冷えるときに地球の磁場の向きを記録する性質は、古地磁気の研究の基礎です。
正解:C. 常磁性になる
強磁性体では、隣り合う原子の磁気モーメントが交換相互作用によって同じ向きにそろい、自発磁化をもっています。温度が上がると熱運動がそろった向きを乱し、キュリー温度を超えると自発磁化が消えて、外部磁界をかけたときだけわずかに磁化する常磁性になります。キュリー温度は鉄で約770℃、ニッケルで約358℃、コバルトで約1120℃です。反強磁性は隣り合うモーメントが反平行にそろう秩序のある状態で、その秩序が消える温度はネール温度といいます。反磁性はすべての物質がもつ弱い性質で、強磁性が消えて現れるものではありません。
キュリー温度は強磁性体やフェリ磁性体が自発磁化を失う温度、ネール温度は反強磁性体の反平行の秩序が失われる温度です。どちらも、それより高温で常磁性になります。
変わりません。770℃はBCCのまま磁気の秩序だけが失われる磁気変態の温度で、Fe-C系状態図ではA2変態点とよばれます。結晶構造がFCCに変わるのは912℃(A3変態点)です。
冷やすと強磁性には戻りますが、磁区の向きがばらばらになるので、磁石としての磁力は失われたままです。使うには、もう一度強い磁界で着磁し直す必要があります。組織が変わっていれば性能も戻りません。
温度が上がると熱運動がそろった向きを乱し、キュリー温度を超えると自発磁化が消えて、外部磁界をかけたときだけわずかに磁化する常磁性になります。
強磁性体の鉄を、キュリー温度(約770℃)より高い温度に加熱すると、磁性はどうなるか。熱振動でモーメントがばらばらになるのはキュリー温度より上の常磁性の状態です。
強磁性体が、外部磁界がなくても多数の磁区に分かれる主な理由はどれか。Nd₂Fe₁₄B はキュリー温度が約310℃と低めで、温度が上がると結晶磁気異方性が下がり、保磁力が大きく低下します。
電気自動車のモーターなど高温で使うネオジム磁石に、DyやTbを加える主な目的はどれか。このため、キュリー温度より下で線膨張係数が約1×10⁻⁶ K⁻¹ と小さくなり、精密な測定器や液化天然ガスの容器などに使われます。
Fe-36%Ni合金(インバー)の線膨張係数が、室温付近で約1×10⁻⁶ K⁻¹ と非常に小さい理由として正しいものは…