材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS)
Al Kα線(エネルギー1486.6 eV)を用いたXPSで、Si 2pの光電子の運動エネルギーが1378.8 eVと測定された。装置の仕事関数を4.5 eVとすると、結合エネルギーはどれに最も近いか。
- A約112.3 eV
- B約107.8 eV
- C約103.3 eV
答えと解説を見る
正解:C. 約103.3 eV
光電効果のエネルギー保存から、結合エネルギーは E_B = hν − E_K − φ = 1486.6 − 1378.8 − 4.5 = 103.3 eV です。Si 2pの結合エネルギーは元素状のSiで約99 eVなので、約4 eV高いこの値はSiO₂(Si⁴⁺)に典型的な値で、表面が酸化されていると判断できます。約107.8 eV は仕事関数を引き忘れた値、約112.3 eV は仕事関数を引くべきところで足した値です。絶縁物の測定では帯電でピークがずれるので、表面の汚染炭素のC 1sピーク(約284.8 eV)を基準にして結合エネルギーを補正することがよくあります。