表面処理とトライボロジー
石英の砂粒(硬さ約1000 HV)を含む土砂でこすられる建設機械の部品で、アブレシブ摩耗を減らす材料の選び方として正しいものはどれか。
- A表面の硬さを砂粒の硬さと同じ程度以上に高めると、砂粒が表面に食い込みにくくなり、摩耗が大きく減る
- B焼入れした鋼のマルテンサイトは石英より硬いので、焼入れするだけで摩耗はほとんど起こらなくなる
- Cアブレシブ摩耗の量はすべり距離だけで決まり、表面の硬さにはよらない
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正解:A. 表面の硬さを砂粒の硬さと同じ程度以上に高めると、砂粒が表面に食い込みにくくなり、摩耗が大きく減る
砂粒が表面をひっかいて削るには、砂粒の硬さHaが表面の硬さHsのおよそ1.2倍以上必要だとされ、Hsを高めてHs/Haがおよそ0.8を超えると、摩耗は急に小さくなることが経験的に知られています。砂粒が表面に食い込めず、逆に砂粒の角がつぶれるためです。そのため、石英より硬いCr炭化物(約1200〜1800 HV)を多く含む高クロム鋳鉄や、WCを含む肉盛り溶接、セラミックスの被覆などが使われます。焼入れした鋼のマルテンサイトは高炭素でも900 HV前後で、石英と同程度かそれより軟らかく、耐摩耗性は上がるものの摩耗がなくなるわけではありません。摩耗の量はすべり距離に比例しますが、硬さの影響も大きく、硬さによらないわけではありません。