表面処理とトライボロジー

ピン・オン・ディスク試験で、硬さ H = 2.0 GPa のピンに垂直荷重50 Nをかけて、すべり距離1.0 kmだけすべらせた。アーチャードの摩耗式 V = KWL/H で無次元の摩耗係数を K = 1.0×10⁻⁴ とするとき、ピンの摩耗体積と、荷重を2倍にしたときの摩耗体積の変化の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. A約2.5×10⁻³ mm³ で、荷重を2倍にすると約2倍になる
  2. B約2.5 mm³ で、荷重を2倍にすると約2倍になる
  3. C約2.5 mm³ で、見かけの接触面積が同じなら荷重を2倍にしても変わらない
答えと解説を見る

正解:B. 約2.5 mm³ で、荷重を2倍にすると約2倍になる

V = KWL/H = 1.0×10⁻⁴×50×1000/(2.0×10⁹) = 2.5×10⁻⁹ m³ = 2.5 mm³です。アーチャードの式は、真実接触面積 W/H に比例した数の接触点が、すべり距離に比例した回数だけ摩耗粉を生むと考えたもので、摩耗体積は荷重とすべり距離に比例し、硬さに反比例します。荷重を2倍にすると、見かけの接触面積が同じでも真実接触面積が2倍になるので、摩耗体積も約2倍になります。約2.5×10⁻³ mm³は、すべり距離を1000 mでなく1として計算した値です。Kは摩耗の機構や条件で10⁻⁸から10⁻²程度まで大きく変わるので、実験で求めます。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

表面処理とトライボロジーのほかの問題

  1. すべり軸受の摩擦係数を、潤滑油の粘度η、回転速度N、面圧Pからなる軸受特性数 ηN/P に対して描いたストライベック曲線についての説明として正しいものはどれか。
  2. 転がり軸受の油膜の最小厚さが h = 0.40 µm、2つの面の二乗平均平方根粗さが Rq1 = 0.15 µm、Rq2 = 0.20 µm である。膜厚比 λ = h/√(Rq1² + Rq2²) を求め、λ < 1 を境界潤滑、1〜3を混合潤滑、3より大きいときを流体潤滑の目安とすると、正しい組み合わせはどれか。
  3. 内径40 mm、幅30 mmのすべり軸受に半径方向の荷重1.2 kNがかかり、軸が600 rpmで回っている。面圧Pを荷重を投影面積(内径×幅)で割った値、すべり速度vを軸の表面の周速とするとき、PV値はどれに最も近いか。
  4. 人工衛星などの真空中で使う機構の固体潤滑剤として、黒鉛より二硫化モリブデン(MoS₂)が適している理由として正しいものはどれか。
  5. 低炭素鋼(約0.2%C)の歯車に浸炭焼入れを行う。この処理についての説明として正しいものはどれか。