熱処理と金属材料

焼入れした鋼に焼戻しを行う主な目的はどれか。

  1. Aマルテンサイトをさらに硬くし、耐摩耗性を高めるため
  2. B残留オーステナイトを増やして組織を安定させ、寸法の変化を防ぐため
  3. C硬さを多少下げる代わりに、靭性を回復させ、内部応力を減らすため
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正解:C. 硬さを多少下げる代わりに、靭性を回復させ、内部応力を減らすため

焼入れままのマルテンサイトは硬い反面、非常にもろく、大きな内部応力も抱えています。A1点(727℃)より低い温度に再び加熱する焼戻しでは、過飽和の炭素が微細な炭化物として析出し、内部応力が緩和されるため、硬さは下がりますが靭性は大きく回復します。焼戻しの温度が高いほど軟らかく粘い組織になり、工具には低温焼戻し、機械部品には高温焼戻し(調質)を使い分けます。焼戻しで硬さが上がるのは一部の合金鋼の二次硬化に限られ、一般的な目的ではありません。残留オーステナイトは焼戻しで分解する方向に変化し、増やすことは目的ではありません。

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