表面処理とトライボロジー
凝着説(バウデンとテイバーの考え)では、摩擦力は真実接触点の凝着部をせん断する力で決まり、摩擦係数は μ = s/H(sは凝着部のせん断強さ、Hは軟らかいほうの材料の押し込み硬さ)で表される。s = 0.30 GPa、H = 1.8 GPa のとき、μはどれに最も近いか。
- A約0.17
- B約6.0
- C約0.50
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正解:A. 約0.17
μ = s/H = 0.30/1.8 ≈ 0.17です。摩擦力は真実接触面積 Ar = W/H と凝着部のせん断強さ s の積 F = sAr になるので、F/W = s/H となり、荷重にも見かけの面積にもよらない摩擦係数が得られます。約6.0は分子と分母を逆にした値、約0.50は硬さの代わりに降伏応力の目安 H/3 = 0.60 GPa で割った値です。実際の金属どうしでは、荷重とせん断で接合部が広がる効果(ジャンクショングロース)や、硬い突起による掘り起こしが加わり、μは0.17より大きくなることが多くあります。潤滑膜や酸化膜でせん断強さ s を小さくすると μ が下がることも、この式からわかります。