表面処理とトライボロジー

切削工具にTiNなどの硬質膜を被覆する。超硬合金の工具と、高速度工具鋼(ハイス)の工具の被覆法の選び方として適切なものはどれか。

  1. Aハイスは焼戻しで二次硬化するので超硬合金より耐熱性が高く、約1000℃の熱CVDで厚く被覆しても硬さは下がらない
  2. B超硬合金には約1000℃の熱CVDを使えるが、ハイスには焼戻し温度(約550℃)を超えない約500℃以下のPVDを使う
  3. CPVDは原料を物理的に蒸発させるだけで化学反応を使わないので、TiNのような化合物の膜はつくれず、金属の膜しかつけられない
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正解:B. 超硬合金には約1000℃の熱CVDを使えるが、ハイスには焼戻し温度(約550℃)を超えない約500℃以下のPVDを使う

熱CVDは、TiCl₄、N₂、H₂などの原料ガスを約1000℃で反応させて膜をつくる方法で、密着がよく厚い膜が得られるため、高温でも軟化しない超硬合金の工具に広く使われます。ハイスは焼入れと焼戻しで硬さを出しているので、焼戻しの温度を超えて加熱すると軟化し、焼入れし直すと寸法の変化も問題になります。そのため、スパッタリングやアークイオンプレーティングなどのPVDを約500℃以下で使います。PVDでも、窒素を含む雰囲気でTiを蒸発させたりスパッタしたりする反応性の成膜で、TiN、TiAlN、CrNなどの化合物の膜をつくれます。ハイスの二次硬化は焼戻しの温度域での現象で、耐熱性は超硬合金より低く、熱CVDの温度には耐えません。

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