材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS)
TEM(透過電子顕微鏡)で観察するとき、試料を厚さ100 nm程度以下に薄くする必要がある主な理由はどれか。
- A電子は物質との相互作用が強く、厚い試料では透過できず、多重散乱で像がぼけるから
- B電子の波長がX線より長く、薄くしないと回折が起こらないから
- C試料を薄くすると電子線による帯電が増え、コントラストが上がるから
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正解:A. 電子は物質との相互作用が強く、厚い試料では透過できず、多重散乱で像がぼけるから
電子は電荷をもつので、物質との相互作用がX線よりはるかに強く、加速電圧200 kV程度でも厚い試料はほとんど透過しないか、何度も散乱されて像やスペクトルがぼやけます。そのため、イオンミリングやFIB(集束イオンビーム)で厚さ100 nm程度以下の薄片にして観察します。200 kVの電子の波長は約0.0025 nmで、Cu Kα線の約0.154 nmよりはるかに短く、波長が長いという選択肢は逆です。帯電は像を乱す原因であり、薄くする目的ではありません。故障解析では、FIBで不良箇所を狙って薄片化し、断面をTEMで観察するのが定番の手順です。