非鉄金属材料
マグネシウム合金の耐食性は不純物のFe、Ni、Cuの量に大きく左右され、高純度のAZ91DなどではFeやNiの上限が0.005%程度以下とごく低く決められている。その理由として正しいものはどれか。
- Aこれらの元素はMgに固溶して母相の電位を卑にするので、表面の酸化皮膜が厚く育ちすぎて割れやすくなるから
- Bこれらの元素はMgより貴な電位の粒子として現れ、まわりのMgとの間で局部電池をつくって、Mgの溶解を速めるから
- Cこれらの元素は溶湯の酸化を進めて燃えやすくするので、鋳造の間に酸化物が巻き込まれて腐食の起点が増えるから
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正解:B. これらの元素はMgより貴な電位の粒子として現れ、まわりのMgとの間で局部電池をつくって、Mgの溶解を速めるから
Mgは実用金属の中で最も卑な金属の一つです。FeやNi、Cuはわずかな量でもMgにほとんど固溶せず、貴な電位をもつ金属や金属間化合物の粒子として現れます。この粒子がカソード、まわりのMgがアノードになる局部電池ができ、塩水の中では腐食の速さが桁違いに大きくなります。そのため高純度の合金ではFeやNiをごく少量に抑え、Cuも0.03%程度以下とし、さらにMnを加えてFeをAl-Mn-Fe系の化合物に取り込み、害を小さくします。固溶して皮膜が厚くなるとする選択肢や、溶湯の燃えやすさで説明する選択肢は、この局部電池の仕組みを外しています。Mgの部品を鋼のボルトと接触させるときにも、同じ理由で絶縁が必要です。