非鉄金属材料
Ti-6Al-4Vなどのα+β型チタン合金では、β変態点より上から冷却すると板状のαが束になった層状組織に、β変態点より下で加工して焼なますと等軸のαを含む組織になる。この2つの組織の性質の違いとして正しいものはどれか。
- A層状組織のほうが延性と疲労き裂の発生への抵抗が大きく、等軸組織のほうが破壊靭性と疲労き裂の進展への抵抗が大きい
- B等軸組織のほうが延性と疲労き裂の発生への抵抗が大きく、層状組織のほうが破壊靭性と疲労き裂の進展への抵抗が大きい
- C両者の違いは結晶粒の向きの分布だけで、引張強さ、延性、破壊靭性、疲労の性質はほとんど同じになる
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正解:B. 等軸組織のほうが延性と疲労き裂の発生への抵抗が大きく、層状組織のほうが破壊靭性と疲労き裂の進展への抵抗が大きい
等軸組織(β変態点の下で加工し再結晶させた組織や、等軸のαと層状の部分が混ざったバイモーダル組織)は、すべりの長さが短く変形が均一に分かれるので、延性が大きく、疲労き裂が発生しにくくなります。一方、β変態点の上から冷やした層状組織では、き裂が板状のαの束に沿って曲がりくねって進むので、き裂の道のりが長くなり、破壊靭性が高く、長いき裂の進展が遅くなります。高温のクリープ強度も層状組織が優れます。2つの性質を入れ替えた選択肢は誤りで、組織の形の違いは機械的性質に大きく効くので、ほとんど同じとする選択肢も誤りです。部材ごとに必要な性質に合わせ、加工の温度と冷却の速さで組織を作り分けます。