P_L = P / Lℓ = 1 / P_L = L / PG = −6.643856 log₁₀ ℓ̄ − 3.288
| 記号 | 意味 |
|---|---|
P | 交点の数(三重点 1.5・端 ½ を含む) |
L | 試験線の長さ(実寸) |
ℓ̄ | 平均切片長さ(mm)。視野ごとの ℓ の平均 |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); Vander Voort, Buehler Tech-Notes
自分の顕微鏡写真の上で、結晶粒度と相分率を数えるための道具です。画像を開いてスケールを合わせ、試験線と粒界の交点、枠の中の粒、格子の点をタップ(クリック)していくと、粒度番号 G・平均切片長さ ℓ̄・単位面積あたりの粒の数 N_A・体積分率と、その不確かさをレポートに書ける形で出します。試料の作り方は試料調製ガイド、組織の見分け方は組織アトラスへ。
ページの閲覧の記録(アクセス解析)は、ほかのページと同じくあります。開いた画像・付けた印・数えた数は、どこにも送りません(計測の部分は通信をしません)。数えた途中の状態(印の位置とスケール。画像は含みません)は、このブラウザの中にだけ残ります。
このページの値は、公開の資料で確かめた式と数え方による見積りです。規格は名前と番号と対象と、公開資料で確かめられた式だけを書いています。正式な判定や報告は、規格の本文と所属の手順に従ってください。
計測の画面の印の種類は、この決まりに合わせています。数は ASTM E112(粒度)と E562(点算法)の公開資料で確かめたものです。
| 場合 | 数え方 |
|---|---|
| 試験線が粒界を横切る点(交点) | 1 |
| 試験線が三重点(3 つの粒が会う点)を通る | 1.5 |
| 試験線が粒界に接する(かすめる) | 1 |
| 直線の端がちょうど粒界に触れる(端が粒の中で終わるときは数えない) | ½ |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); ASTM E112-13(2021) の概要
| 場合 | 数え方 |
|---|---|
| 枠の中にすっかり入った粒 | 1 |
| 枠の線にかかる粒 | ½ |
| 四角の枠では、四隅にかかる粒は数えず、まとめて 1 を足す(四隅の粒は平均すると 1/4 ずつ枠の中にあるとみる) | +1 |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); ASTM E112-13(2021) の概要; Vander Voort, Buehler Tech-Notes
| 場合 | 数え方 |
|---|---|
| 格子の点が、数える相の中にある | 1 |
| 点が相の境界に乗る(内か外か迷うときも ½) | ½ |
| それ以外の点(母相など)。このページでは「残り」になる | 0 |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(点算法); Vander Voort, Buehler Tech-Notes
粒度番号は ASTM E112 の式で出します。公式集にも同じ換算があります: 結晶粒度番号(ASTM E112)
P_L = P / Lℓ = 1 / P_L = L / PG = −6.643856 log₁₀ ℓ̄ − 3.288| 記号 | 意味 |
|---|---|
P | 交点の数(三重点 1.5・端 ½ を含む) |
L | 試験線の長さ(実寸) |
ℓ̄ | 平均切片長さ(mm)。視野ごとの ℓ の平均 |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); Vander Voort, Buehler Tech-Notes
N_A = (N_in + ½ N_cut) / AN_A = (N_in + ½ N_cut + 1) / AG = 3.321928 log₁₀ N_A − 2.954| 記号 | 意味 |
|---|---|
N_in | 枠の中の粒の数 |
N_cut | 枠にかかる粒の数(四角の枠では四隅の粒を除く) |
A | 枠の面積(実寸、mm²)。上の式は円、下の式は四角の枠 |
N_A | 1 mm² 当たりの粒の数(mm⁻²) |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); ASTM E112-13(2021) の概要
P_P = P_α / P_TV_V ≈ P̄_P| 記号 | 意味 |
|---|---|
P_α | 相 α に乗った点の数(境界は ½) |
P_T | 格子の点の数 |
V_V | 体積分率(視野ごとの P_P の平均で推定する) |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(点算法)
x̄ = Σ x_i / ns = √( Σ (x_i − x̄)² / (n − 1) )95 % CI = t · s / √n%RA = 100 × 95 % CI / x̄| 記号 | 意味 |
|---|---|
x_i | 視野ごとの値(ℓ・N_A・P_P) |
n | 視野の数 |
t | 自由度 n − 1 の t 分布の両側 95 % の値(n = 5 で 2.776、n = 10 で 2.262) |
%RA | 相対精度。10 % 以下で多くの目的に足りるとされる |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); Univ. of Michigan 実験資料(点算法)
m = 8 × 2^GN_A = 15.50 × 2^(G−1) = 7.75 × 2^GG_JIS = G_ASTM − log₂(8 / 7.75) = G_ASTM − 0.046| 記号 | 意味 |
|---|---|
m | JIS G 0551・ISO 643 の 1 mm² 当たりの粒の数 |
N_A | ASTM E112 の 1 mm² 当たりの粒の数(100 倍の像で 1 平方インチに 2^(G−1) 個) |
G_JIS | 同じ N_A のときの JIS・ISO の番号(切断法の式は確かめていない) |
出典: 新潟県工業技術総合研究所 (2020); Vander Voort (1991); ISO 643:2019 の見本; Univ. of Michigan 実験資料(粒度)
ASTM E112 の式で計算した値です(ビルドのときに、E112 の表 4 の値と合うことを確かめています)。d̄ = 1/√N_A は正方形の粒を仮定した値で、平均切片長さ ℓ̄ とは違います。
| G | N_A(1 mm² あたりの粒の数) | ℓ̄(µm) | d̄ = 1/√N_A(µm) |
|---|---|---|---|
| 0 | 7.75 | 320.0 | 359.2 |
| 1 | 15.50 | 226.3 | 254.0 |
| 2 | 31.00 | 160.0 | 179.6 |
| 3 | 61.99 | 113.1 | 127.0 |
| 4 | 124.0 | 80.0 | 89.8 |
| 5 | 248.0 | 56.6 | 63.5 |
| 6 | 495.9 | 40.0 | 44.9 |
| 7 | 991.9 | 28.3 | 31.8 |
| 8 | 1,984 | 20.0 | 22.5 |
| 9 | 3,967 | 14.1 | 15.9 |
| 10 | 7,935 | 10.0 | 11.2 |
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度)
切断法は試験線と粒界の交点を数えて平均切片長さ ℓ̄ を出し、面積法は枠の中の粒を数えて 1 mm² 当たりの粒の数 N_A を出します。どちらも ASTM E112 の式で粒度番号 G に直せますが、数えているものが違います(線の上の粒界と、面の中の粒)。Vander Voort は、2 つの方法は組織の違う面を測るので、ぴったりは一致しないが近い値になる、と書いています。
手間が違います。面積法は数えた粒に印を付けていく必要があり、時間がかかります。E112 は、相対精度 10 % を得る目安を、切断法で交点およそ 400 個、面積法で粒およそ 700 個としています。Vander Voort も、同じ精度なら切断法のほうがずっと短い時間で済むとしています。
等軸の粒で手早く番号を出すなら切断法、とくに 3 つの同心円がよい方法です(向きの偏りが平均され、E112 も勧めています)。粒の数そのものが要るときや、粒の形を確かめながら数えたいときは面積法を使います。四角の枠(Saltykov の方法)は、枠の中の粒が少なくても安定した値が出たと報告されています。
圧延などで粒が一方向に伸びているときは、向きごとに分けて計測します(このページでは「横の直線 1 本」と「縦の直線 1 本」で別々に数えます)。E112 には、向きごとの ℓ̄ とその比で伸びを表す方法があります。粒の大きさが 2 つの山に分かれた混粒は E112 の対象外で、ASTM E1181 で扱います。
2 相の組織で一方の相の粒の大きさを出すときは、相の体積分率(点算法)と、その相の粒だけを数えた切断法を組み合わせます(E112: ℓ̄_α = V_Vα · L / N_α、N_α は α の粒を横切った数)。
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); Vander Voort, Buehler Tech-Notes; Vander Voort (2013) M&M; ASTM E112-13(2021) の概要; ASTM E1181 の概要
精度を決めるのは、1 つの視野で数えた数よりも、視野ごとの値のばらつきです。このページは E112・E562 と同じく、視野ごとの値から平均 x̄、標準偏差 s、95 % 信頼区間 t·s/√n、相対精度 %RA = 100 × 信頼区間 / 平均を出します。t は自由度 n − 1 の t 分布の値で、視野が少ないほど大きくなります(n = 5 で 2.776、n = 10 で 2.262、n = 20 で 2.093)。
E112 の目安: 切断法は 1 回の置き方で 40〜100 個(3 つの同心円)、直線では 50 個以上数えられる倍率にし、3〜5 視野以上を数えます。面積法は枠の中に 50 個以上(100 個ほどまで)、3 視野以上。多くの目的には 10 %RA 以下で足りるとされます。10 % を超えたら、視野を増やして計算し直します。
信頼区間はおよそ √n に反比例するので、視野を 4 倍にすると半分になります。点算法では、点が独立とみなせるなら、分率 p の相を P_T 点の格子で n 視野数えたときの %RA はおよそ 200 √((1 − p) / (p · P_T · n)) です。少ない相ほど多く数える必要があります。たとえば 5 % の相を 100 点の格子で 10 %RA にするには、この式で約 76 視野、E562 の表 3(測る相が組織の中にでたらめに散らばっているとした値)では 80 視野です。
E562 は、目で見た面積の割合から格子の点の数を選ぶ表(2〜5 % で 100 点、5〜10 % で 49 点、10〜20 % で 25 点、20 % より多いと 16 点)と、目標の %RA に要る視野の数の表を載せています。ただし %RA は表から引かず、自分のデータから計算します。また E562 は、95 % 信頼区間を計算するには少なくとも 30 視野を数えるとしています(附属書 A1)。視野が 30 より少ないときの信頼区間は目安として読みます。
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); Univ. of Michigan 実験資料(点算法); Vander Voort, Buehler Tech-Notes
切断法も面積法も、すべての粒界が見えていることが前提です。粒界の一部が出ていないと、交点が減って ℓ̄ は大きく、粒が減って N_A は小さくなり、どちらも G を小さく(粗く)見積もります。これは数え方では直せないので、エッチングからやり直します。エッチング不足・過エッチング・傷は試料調製ガイドへ。
粒界をよく出す腐食液を選びます。たとえば鋼のフェライト粒にはナイタールを使います。ピクラールはセメンタイトを腐食する液で、フェライトの粒界は出ないので(試料調製ガイドのピクラールの項)、フェライトの粒度には向きません。オーステナイト系の鋼では、ISO 643 は粒界を出して双晶の境界を出さない電解エッチング(60 % 硝酸)を挙げています。
粒度番号のためには、焼なまし双晶の境界は数えません(双晶の両側を 1 つの粒とします)。E112 の定義のとおりです。面心立方の金属(オーステナイト系ステンレス鋼・銅・黄銅・ニッケル合金など)は焼なまし双晶が多く、体心立方のフェライトでは焼なまし双晶は普通見られません。双晶の境界は、まっすぐで平行な 2 本の線として見えることが多いので、粒界と見分けて印を付けないようにします。研究で双晶も含めた値を使うこともあるので、報告にはどちらで数えたかを書きます。
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度); ISO 643:2019 の見本; Vander Voort, Buehler Tech-Notes
「平均粒径」には定義がいくつもあります。(1) 平均切片長さ ℓ̄(公式集の「平均の線分長」。切断法の値そのもの)。(2) 平均の粒の断面積 Ā = 1/N_A の平方根 d̄ = √Ā(E112 の表の d̄。正方形の粒を仮定した値で、E112 は物理的な意味はないと書いています)。(3) 円相当径 √(4Ā/π)。(4) 立体の粒の直径 D(同じ大きさの球なら D = 1.5 ℓ̄、十四面体の形と大きさの分布を仮定した推定では D = 1.571 ℓ̄)。
同じ組織でも、E112 の表の関係では d̄ は ℓ̄ より約 12 % 大きく、円相当径は約 27 % 大きく、D は 50 % 以上大きくなります。「粒径 20 µm」と書くときは、どの定義か(ℓ̄・d̄・円相当径)と測った方法を添えます。ホール・ペッチの関係に入れる d も、論文によって ℓ̄ だったり円相当径だったりします。
粒度番号は、G が 1 大きいと N_A が 2 倍、ℓ̄ が 1/√2 倍になる対数の目盛りです。切断法の G と面積法の G は、E112 が仮定した粒の形のもとでそろうように決めてあります。実際の組織や、このページの平面の合成組織では、同じ組織でも 2 つの方法の G が 0.1〜0.3 ほどずれることがあります。番号を平均せず、ℓ̄ や N_A を平均してから番号に直します(E112)。
出典: Univ. of Michigan 実験資料(粒度)
JIS G 0551(鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法)と ISO 643 は、1 mm² 当たりの粒の数 m と粒度番号 G を m = 8 × 2^G で結びます(G = 1 で m = 16)。ASTM E112 は、100 倍の像の 1 平方インチ当たりの粒の数を 2^(G−1) と決めており、実寸では N_A = 15.50 × 2^(G−1) = 7.75 × 2^G mm⁻² になります。
同じ N_A なら G_JIS = log₂(N_A/8)、G_ASTM = log₂(N_A/7.75) なので、JIS・ISO の番号は ASTM より log₂(8/7.75) = 0.046 小さくなります。Vander Voort は、この差は無視できるほど小さいとしています。
切断法の値 ℓ̄ から番号に直す式が JIS と ASTM で同じかは、公開の資料では確かめられませんでした。このページの粒度番号は ASTM E112 の式で出します。JIS で報告するときは、JIS G 0551 の本文で確かめてください。なお JIS G 0551 の切断法は、3 つの同心円か 4 本の直線を使い、100 倍で合計 500 mm の試験線とし、ふつう少なくとも 5 視野の N_L を平均します。
出典: 新潟県工業技術総合研究所 (2020); 寺山ほか (2022); ISO 643:2019 の見本; Vander Voort (1991); Univ. of Michigan 実験資料(粒度)
合成組織は、乱数で置いた点からつくるボロノイ分割です(どの点にいちばん近いかで粒を決める)。点は互いに一定より近づけずに置くので、粒の大きさはそろい気味になります。上下・左右はつながっていて、どの粒も画像の中にちょうど 1 個分あります。2 相の組織は一部の粒を暗い相(縞を入れてパーライトに見立てる)にし、粒子の組織は母相の中に重ならない円(黒鉛の粒に見立てる)を置きます。
真の値は画素を数えずに、形から計算します。N_A は粒の数 / 面積。平均切片長さは、粒界の長さの合計 L_B から ℓ̄ = πA / (2 L_B)(粒界がどの向きにも同じように向いた組織では、試験線の長さ当たりの交点の数が P_L = (2/π) L_A になる関係)。体積分率は多角形と円の面積から。縮尺は、N_A が選んだ G の値になるように決めます。
答え合わせの「理想的に数えた場合」は、あなたが置いたのと同じ線・枠・格子で、粒が変わる所や暗い相に乗った点を機械的に数えた値です。真の値との差は、おもに限られた視野で測ったことによる差(ばらつき)で、あなたの数との差は数え方の差です。ただし面積法(枠の中の粒 + かかる粒の ½)は、枠の中の粒が少ないと多めに出ます。この合成組織で枠をいろいろな所に置いて数え直すと、枠の中に約 13 個で +9 %、約 25 個で +3〜4 %、約 50 個で +2 %、約 100 個で +1 % でした。E112 の目安の 50 個以上入る倍率にすると、この偏りは小さくなります。
合成組織は平面の多角形で、立体の粒を切った断面ではないので、切断法の G は面積法の G より 0.3 ほど大きく出ます。答えは、それぞれの方法の真の値と比べます。乱数の種を URL に入れると、同じ画像を共有できます。
出典: Rollett, Stereology (2014); Univ. of Michigan 実験資料(粒度)
いいえ。画像はブラウザの中で読み込んで canvas に描くだけで、このページの計測の部分は通信をしません(ページの閲覧の記録、つまりアクセス解析は、ほかのページと同じくあります)。数えた途中の状態(印の位置・スケール。画像そのものは含みません)はこのブラウザの中にだけ残り、「すべての計測を消す」で消せます。
撮ったときの倍率と、その写真を印刷・表示したときの横幅(mm)を入れるか、装置が出す 1 画素あたりの長さ(µm/px)、または写真の横幅に当たる試料の長さ(µm)を入れます。パソコンの画面で拡大して見たときの倍率は、表示の大きさで変わるので使えません。
E112 は 1.5 を正しい値とし、円を数取器で数えるときに 2 と数える簡便法も認めています(誤差は小さい)。このページは 1.5 で数えます。直線の端がちょうど粒界に触れたときは ½ です。
比較法は手早い一方、E112 は全体として粗めに出る偏りがあるとし(0.5〜1 番)、くり返しと再現の精度はふつう ±1 番としています。面積法と切断法は、どちらも偏りがなく、くり返しと再現の精度は ±0.5 番より良く、ほどほどの手間で ±0.25 番の精度が得られるとしています(E112-13 の 4.1.2・4.1.3)。2 つの違いは、切断法のほうが同じ精度を短い時間で出せることです。比較法の見本は組織アトラスの結晶粒度の節にあります。
点算法(E562)は、規則正しい格子を組織を見ずに置いて人が判定するので、偏りのない推定になります。明るさのしきい値で自動に分ける方法は、エッチングの濃さや照明のむらで値が変わります。自動の画像解析は別の規格(ASTM E1245)で扱われます。
写真が十分大きく、パターンが写真に比べて小さいなら、「別の場所へ」や「表示の中心へ」でパターンを前の視野と重ならない所へ動かして、1 枚から何視野かとれます。ただし同じ所の近くばかりでは試料全体のばらつきが出ないので、試料の離れた所を撮った写真を何枚か使うのが本来の形です。