非鉄金属材料
Al-Cu合金を溶体化処理して急冷したあと時効すると、析出物はおよそ GPゾーン → θ'' → θ' → θ(Al₂Cu)の順に変わる。GPゾーンについての説明として正しいものはどれか。
- A母相の{100}面に沿ってCu原子が1〜数原子層の円板状に集まったもので、母相と完全に整合し、室温の時効でもできる
- B粒界に沿ってCuが欠乏した幅の狭い領域で、析出物ができないので、粒界の近くが軟らかくなる原因になる
- C平衡相のθ(Al₂Cu)が粒内に粗く析出したもので、母相と非整合な界面をもち、過時効の段階で現れる
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正解:A. 母相の{100}面に沿ってCu原子が1〜数原子層の円板状に集まったもので、母相と完全に整合し、室温の時効でもできる
急冷で過飽和になったCu原子は、まず母相の{100}面に集まり、厚さ1〜数原子層、直径数nmの円板状のGPゾーンをつくります。結晶構造は母相のままで完全に整合し、界面エネルギーが小さいので核生成の障壁が低く、急冷で残った過剰な空孔に助けられて室温でもでき、自然時効の硬化を担います。時効が進むと、整合や半整合の中間相θ''、θ'を経て、非整合で粗い平衡相θになり、過時効で軟化します。粒界の近くでCuや空孔が減って析出物ができない帯は無析出帯(PFZ)で、GPゾーンとは別のものです。粗いθはGPゾーンではなく、時効の最終段階の平衡相です。