非鉄金属材料

タフピッチ銅(酸素を0.02〜0.05%程度含み、その多くがCu₂Oとして分散している銅)を、水素を含む還元性の雰囲気で加熱したり、ガス溶接やろう付けをしたりすると、もろくなることがある。その原因と対策として正しいものはどれか。

  1. A侵入した水素がCu₂Oと反応して水蒸気になり、粒界に圧力の高い空洞や割れをつくるので、無酸素銅やりん脱酸銅を使う
  2. B侵入した水素が銅と反応して硬い水素化物を粒界につくるので、加熱のあとで高温の焼なましをして水素化物を分解する
  3. C加熱でCu₂Oが溶けて粒界に液相の膜ができるので、酸素をさらに増やしてCu₂Oを丸く大きくした銅を使う
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正解:A. 侵入した水素がCu₂Oと反応して水蒸気になり、粒界に圧力の高い空洞や割れをつくるので、無酸素銅やりん脱酸銅を使う

銅の中に拡散した水素は、粒界などにあるCu₂Oと反応して Cu₂O + H₂ → 2Cu + H₂O となり、水蒸気の分子は銅の中を拡散できないので、粒界に圧力の高い空洞をつくって割れを生じます。これを銅の水素脆化(水素病)といいます。対策には、酸素をほとんど含まない無酸素銅や、りんで脱酸したりん脱酸銅を使います。りん脱酸銅は残ったりんのために導電率が下がるので、高い導電率が要る用途には無酸素銅が使われます。銅は安定な水素化物をつくらないので、水素化物を原因とする選択肢は誤りです。また、この脆化はCu₂Oが溶けて起こるのではなく、酸素を増やすと水蒸気をつくる元がかえって増えます。

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