凝固と鋳造組織
Al-4.0 wt%Cu合金を凝固させる。シャイルの式に従い(平衡分配係数 k = 0.17 で一定)、残った液相の濃度は CL = C₀(1 − fs)^(k−1) で上がるとする。液相が共晶組成の33.2 wt%Cuに達したときに残っている液相の分率(これが非平衡の共晶組織になる)はどれに最も近いか。なお平衡状態図では、この組成はα相の最大固溶限(5.65 wt%)の範囲にある。
- A0%
- B約12%
- C約7.8%
答えと解説を見る
正解:C. 約7.8%
残った液相の分率を fL = 1 − fs とすると、33.2 = 4.0 × fL^(−0.83) なので、fL = (33.2/4.0)^(−1/0.83) = 8.3^(−1.20) ≈ 0.078、約7.8%です。平衡凝固なら、4.0 wt%Cuはα相の固溶限5.65 wt%より小さいので、凝固が終わるとα相だけになり、共晶はできません。0%はこの平衡の考え方を、固相内の拡散が遅い実際の凝固に当てはめた誤りです。約12%は、合金の中の銅がすべて共晶組成の液に集まると考えて 4.0/33.2 とした値で、固相にも銅が残ることを無視しています。実際の鋳物でも、固溶限内の組成なのに樹間にAl₂Cuを含む共晶が見られるので、溶体化処理の温度はこの共晶の融点より低く選びます。