凝固と鋳造組織

純アルミニウムの融点(660℃)での密度を、液体が2.375 g/cm³、固体が2.55 g/cm³とする。融点で液体がすべて固体になるときの、液体の体積に対する体積の減少率(凝固収縮)はどれに最も近いか。

  1. A約2.3%
  2. B約7.4%
  3. C約6.9%
答えと解説を見る

正解:C. 約6.9%

質量をmとすると、体積は液体で m/2.375、固体で m/2.55 です。液体の体積に対する減少率は 1 − 2.375/2.55 ≈ 0.069、約6.9%になります。約7.4%は密度の差を液体の密度で割った値で、固体の体積を基準にした減少率にあたります。約2.3%は体積の減少率を長さの収縮に換算した値(1 − 0.931^(1/3))です。凝固収縮は、液体のまま冷える間の液体収縮や、固体になってからの固体収縮とは別に凝固の間に起こるので、押湯から溶湯を補わないと引け巣になります。一方、ねずみ鋳鉄では凝固中に密度の小さい黒鉛が晶出して膨張するので、凝固収縮が小さく押湯を小さくできます。SiやBiのように凝固で体積が増える物質もあります。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

凝固と鋳造組織のほかの問題

  1. 鋳塊の柱状晶の領域を減らし、中心部の等軸晶の領域を広げて結晶粒を細かくする方法の組み合わせとして正しいものはどれか。
  2. 合金の凝固で、固液界面の固相と液相の溶質濃度の比 k = Cs/CL を平衡分配係数という。Al-Cu合金のように k が約0.17の場合についての説明として正しいものはどれか。
  3. 純金属の多くはなめらかに丸みを帯びた固液界面で成長するのに対し、SiやBiは平らな結晶面(ファセット)に囲まれて成長しやすい。この違いを説明する目安として正しいものはどれか。
  4. 合金の一方向凝固で、平らだった固液界面が凹凸のある界面に変わる原因となる組成的過冷についての説明として正しいものはどれか。k < 1 の合金とする。
  5. 組成的過冷が起こらず平らな界面で凝固する条件は G/V ≥ ΔT₀/D_L で表される(Gは界面の液相側の温度勾配、Vは成長速度、D_Lは液相中の溶質の拡散係数、ΔT₀ = mC₀(1 − k)/k は凝固温度範囲)。Al-2.0 wt%Cu合金(液相線の傾きの大きさ m = 3.4 K/wt%、k = 0.17、D_L = 3.0×10⁻⁹ m²/s)を V = 1.0×10⁻⁵ m/s で成長させるとき、平らな界面を保つのに必要な最小の温度勾配はどれに最も近いか。