凝固と鋳造組織
純金属の多くはなめらかに丸みを帯びた固液界面で成長するのに対し、SiやBiは平らな結晶面(ファセット)に囲まれて成長しやすい。この違いを説明する目安として正しいものはどれか。
- A融点が高い物質ほど界面の原子が動きにくく、融点が約1000℃を超える物質はどれもファセットをもって成長する
- B熱伝導率が低い物質ほど潜熱が界面から逃げにくく、局所的に過熱された面がファセットになる
- C融解エントロピーが大きい(ΔSf/R が約2より大きい)物質ほど界面が原子的に平らになり、ファセットをもつ
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正解:C. 融解エントロピーが大きい(ΔSf/R が約2より大きい)物質ほど界面が原子的に平らになり、ファセットをもつ
ジャクソンの理論では、界面の粗さは融解エントロピーを気体定数で割った α ≈ ΔSf/R で決まります。金属の多くは α が約1で、界面が原子的に粗く、どこにでも原子が付けるので、わずかな過冷却で連続的に成長します(ノンファセット)。Siは α が約3.6と大きく、界面が原子的に平らになり、段差のところでしか原子が付かないので、ファセットに囲まれた形で成長し、より大きな過冷却を要します。融点の高さで決まるのではなく、融点が約1540℃の鉄もノンファセットです。熱伝導率も形を決める主な因子ではありません。Al-Si合金の共晶Siが板状になるのも、Siがファセット成長するためです。