凝固と鋳造組織

合金の凝固で、温度勾配Gと成長速度Vを変えたときの固液界面の形と組織の細かさについての説明として正しいものはどれか。

  1. AG/V を小さくしていくと、デンドライト、セル、平らな界面の順に変わり、G×V が大きいほど組織は粗くなる
  2. B界面の形は G×V だけで決まり、G×V を大きくすると平らな界面、小さくするとデンドライトになる
  3. CG/V を小さくしていくと、平らな界面、セル、柱状デンドライト、等軸デンドライトの順に変わり、G×V が大きいほど組織は細かくなる
答えと解説を見る

正解:C. G/V を小さくしていくと、平らな界面、セル、柱状デンドライト、等軸デンドライトの順に変わり、G×V が大きいほど組織は細かくなる

組成的過冷の条件からわかるように、界面の形は主に G/V で決まり、G/V が大きいほど平らな界面が安定です。G/V を小さくすると組成的過冷が大きくなり、セル、柱状のデンドライト、さらに界面の前方の液相で新しい結晶が生まれる等軸デンドライトへと変わります。一方、G×V は冷却速度(K/s)にあたり、組織の大きさを決めます。冷却が速いほど溶質が拡散する時間が短く、セルやデンドライトの間隔は細かくなります。G/V を小さくすると平らな界面に近づくとする選択肢は順序が逆で、冷却が速いほど組織が粗くなるのでもありません。形が G×V だけで決まるとするのは、形と大きさを決める2つの量の役割を取り違えています。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

凝固と鋳造組織のほかの問題

  1. FCCやBCCの立方晶の金属でデンドライトが成長するとき、幹と枝が伸びる結晶方位と、それが鋳物の柱状晶に与える影響についての説明として正しいものはどれか。
  2. アルミニウム合金の鋳物の二次デンドライトアーム間隔 λ₂ と冷却速度Ṫのあいだに λ₂ = A·Ṫ^(−1/3) の関係があるとする。冷却速度1.0 K/sの部分で λ₂ = 50 µm だった。冷却速度125 K/sの部分の λ₂ はどれに最も近いか。
  3. 鋳物や鋳塊の偏析には、デンドライトの枝の間の寸法で起こるミクロ偏析と、鋳塊の全体の寸法で起こるマクロ偏析がある。両者の違いとして正しいものはどれか。
  4. チボリノフの法則 t = B(V/A)²(tは凝固時間、Vは体積、Aは表面積、Bは定数)が成り立つとする。同じ鋳型の条件で、ある体積の立方体の鋳物が10分で凝固した。同じ体積の球の鋳物の凝固時間はどれに最も近いか。
  5. 凝固中の固相の組成を表すシャイルの式 Cs = kC₀(1 − fs)^(k−1)(fsは固相の分率)の前提として正しいものはどれか。