凝固と鋳造組織

平衡分配係数と偏析、組成的過冷とセル・デンドライト、デンドライトアーム間隔と冷却速度、シャイルの式、共晶の成長と改良処理、鋳造組織の微細化と凝固収縮を3択問題で確認できます。

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凝固と鋳造組織の要点

合金が凝固するとき、固相に取り込まれる溶質の濃度は液相と違い、その比を平衡分配係数kといいます。k < 1 の溶質は界面の前方の液相に吐き出され、そこで液相線温度が下がるため、温度勾配が小さいと組成的過冷が起こって、平らな界面がセルやデンドライトに変わります。界面の形は温度勾配と成長速度の比G/Vで、組織の細かさは冷却速度G×Vで決まります。

固相内の拡散が遅い実際の凝固では、シャイルの式が示すように溶質が樹間に濃縮し、固溶限内の合金にも非平衡の共晶ができます。このミクロ偏析は均質化焼なましで減らせますが、鋳塊の寸法のマクロ偏析は消えません。鋳造組織の柱状晶と等軸晶の割合は過熱度や微細化剤、攪拌で変えられ、凝固収縮と凝固時間は押湯の設計の基礎になります。

凝固と鋳造組織の問題一覧(15問)

  1. 合金の凝固で、固液界面の固相と液相の溶質濃度の比 k = Cs/CL を平衡分配係数という。Al-Cu合金のように k が約0.17の場合についての説明として正しいものはどれか。
  2. 純金属の多くはなめらかに丸みを帯びた固液界面で成長するのに対し、SiやBiは平らな結晶面(ファセット)に囲まれて成長しやすい。この違いを説明する目安として正しいものはどれか。
  3. 合金の一方向凝固で、平らだった固液界面が凹凸のある界面に変わる原因となる組成的過冷についての説明として正しいものはどれか。k < 1 の合金とする。
  4. 組成的過冷が起こらず平らな界面で凝固する条件は G/V ≥ ΔT₀/D_L で表される(Gは界面の液相側の温度勾配、Vは成長速度、D_Lは液相中の溶質の拡散係数、ΔT₀ = mC₀(1 − k)/k は凝固温度範囲)。Al-2.0 wt%Cu合金(液相線の傾きの大きさ m = 3.4 K/wt%、k = 0.17、D_L = 3.0×10⁻⁹ m²/s)を V = 1.0×10⁻⁵ m/s で成長させるとき、平らな界面を保つのに必要な最小の温度勾配はどれに最も近いか。
  5. 合金の凝固で、温度勾配Gと成長速度Vを変えたときの固液界面の形と組織の細かさについての説明として正しいものはどれか。
  6. FCCやBCCの立方晶の金属でデンドライトが成長するとき、幹と枝が伸びる結晶方位と、それが鋳物の柱状晶に与える影響についての説明として正しいものはどれか。
  7. アルミニウム合金の鋳物の二次デンドライトアーム間隔 λ₂ と冷却速度Ṫのあいだに λ₂ = A·Ṫ^(−1/3) の関係があるとする。冷却速度1.0 K/sの部分で λ₂ = 50 µm だった。冷却速度125 K/sの部分の λ₂ はどれに最も近いか。
  8. 鋳物や鋳塊の偏析には、デンドライトの枝の間の寸法で起こるミクロ偏析と、鋳塊の全体の寸法で起こるマクロ偏析がある。両者の違いとして正しいものはどれか。
  9. チボリノフの法則 t = B(V/A)²(tは凝固時間、Vは体積、Aは表面積、Bは定数)が成り立つとする。同じ鋳型の条件で、ある体積の立方体の鋳物が10分で凝固した。同じ体積の球の鋳物の凝固時間はどれに最も近いか。
  10. 凝固中の固相の組成を表すシャイルの式 Cs = kC₀(1 − fs)^(k−1)(fsは固相の分率)の前提として正しいものはどれか。
  11. Al-4.0 wt%Cu合金を凝固させる。シャイルの式に従い(平衡分配係数 k = 0.17 で一定)、残った液相の濃度は CL = C₀(1 − fs)^(k−1) で上がるとする。液相が共晶組成の33.2 wt%Cuに達したときに残っている液相の分率(これが非平衡の共晶組織になる)はどれに最も近いか。なお平衡状態図では、この組成はα相の最大固溶限(5.65 wt%)の範囲にある。
  12. Al-Si系の亜共晶の鋳造合金に加える添加物と、そのおもな効果の組み合わせとして正しいものはどれか。
  13. 規則的なラメラ共晶を一方向凝固させると、ラメラ間隔 λ と成長速度Vのあいだに λ²V = 一定 の関係が成り立つ。成長速度10 µm/sで λ = 2.0 µm だった。成長速度を160 µm/sにしたときの λ はどれに最も近いか。
  14. 純アルミニウムの融点(660℃)での密度を、液体が2.375 g/cm³、固体が2.55 g/cm³とする。融点で液体がすべて固体になるときの、液体の体積に対する体積の減少率(凝固収縮)はどれに最も近いか。
  15. 鋳塊の柱状晶の領域を減らし、中心部の等軸晶の領域を広げて結晶粒を細かくする方法の組み合わせとして正しいものはどれか。

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