凝固と鋳造組織
合金の一方向凝固で、平らだった固液界面が凹凸のある界面に変わる原因となる組成的過冷についての説明として正しいものはどれか。k < 1 の合金とする。
- A吐き出された溶質で界面の液相線温度が下がり、離れるほど液相線温度が高くなるため、実際の温度勾配が小さいと前方の液相が液相線温度より低くなる
- B界面の前方の液相の溶質が固相に吸い込まれて薄くなり、界面の近くで液相線温度が上がるため、温度勾配が大きいほど前方の液相が過冷却になりやすい
- C界面から液相の側へ温度が下がる負の温度勾配が凝固の潜熱で生じ、その熱的な過冷却が、合金でだけ界面を不安定にする
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正解:A. 吐き出された溶質で界面の液相線温度が下がり、離れるほど液相線温度が高くなるため、実際の温度勾配が小さいと前方の液相が液相線温度より低くなる
k < 1 では、界面で吐き出された溶質が界面の前方にたまり、界面の液相は濃く、液相線温度が低くなります。界面から離れると濃度は元の C₀ に戻るので、液相線温度は離れるほど高くなります。実際の温度勾配Gがこの液相線温度の勾配より小さいと、界面の前方に液相線温度より低い、つまり過冷却された液相の層ができます。これが組成的過冷で、界面の小さな突起が過冷却の大きい側へ伸びるので、平らな界面がくずれます。前方の液相は薄くなるのではなく濃くなり、温度勾配が大きいほど組成的過冷は起こりにくくなります。負の温度勾配による熱的な過冷却は、溶質によらず純金属でも起こる別の現象です。