強化機構と転位

ある置換型の固溶体で、降伏応力の増分 Δσ が溶質の濃度cの1/2乗に比例する(フライシャーのモデル)とする。溶質1 at%で Δσ = 30 MPa のとき、溶質4 at%での Δσ はどれに最も近いか。溶質どうしの相互作用や析出は考えない。

  1. A約60 MPa
  2. B約120 MPa
  3. C約76 MPa
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正解:A. 約60 MPa

Δσ ∝ c^(1/2) なので、濃度が4倍になると Δσ は √4 = 2 倍になり、30 × 2 = 60 MPa です。約120 MPa は Δσ が濃度に比例するとした値、約76 MPa は Δσ が濃度の2/3乗に比例するラブッシュのモデルを使った値(30 × 4^(2/3) ≈ 76)で、この問題の前提とは違います。フライシャーのモデルでは、転位が離れて点在する溶質原子に1つずつ引っかかると考え、1つあたりの抵抗は、溶質と母相の原子の大きさの差(寸法効果)と剛性率の差(剛性率効果)で決まります。濃度を増やしても強化の伸びはしだいに鈍るので、固溶強化で大きな強さを得るには、大きさや剛性率の差の大きい元素を選ぶことが効きます。

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