強化機構と転位

時効で析出物が大きくなるにつれて、強さが上がって最大になり、その後下がる(過時効)。析出物と転位の相互作用からみた説明として正しいものはどれか。析出物の体積分率は一定とする。

  1. A小さい析出物は転位に迂回され、大きくなると転位に切られるようになり、切るのに必要な応力は析出物の間隔が広がるほど大きくなるから
  2. B小さい析出物は転位に切られ、その抵抗は析出物が大きいほど増すが、大きくなると転位が間を張り出して通り抜け、その応力は間隔が広がるほど下がるから
  3. C析出物はどの大きさでも転位に切られ、大きくなると母相との整合性が増して切る抵抗が増え続けるが、最大の強さは固溶強化の消失で決まるから
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正解:B. 小さい析出物は転位に切られ、その抵抗は析出物が大きいほど増すが、大きくなると転位が間を張り出して通り抜け、その応力は間隔が広がるほど下がるから

時効の初めの小さく整合な析出物は、転位に切られて通過されます。切るときの抵抗は、整合ひずみや新しい界面、規則相なら逆位相境界をつくる仕事によるもので、体積分率が一定なら析出物が大きいほど増えます。析出物が大きくなると、切るより、間を弓なりに張り出してループを残して通り抜けるオロワン機構のほうが楽になり、その応力は析出物の間隔に反比例して、粒子が粗くなるほど下がります。2つの機構が入れ替わる大きさで強さが最大になり、これがピーク時効にあたります。迂回と切断の順を逆にした選択肢は誤りです。析出物は大きくなるほど母相との整合性を失う傾向があるので、整合性が増すとする選択肢も誤りです。

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