強化機構と転位

Cuに微細なAl₂O₃粒子を分散させた合金や、鉄にY₂O₃の粒子を分散させたODS鋼のように、酸化物の粒子で強化する分散強化の特徴として正しいものはどれか。

  1. A時効で母相から析出させた整合な酸化物を使うので、溶体化処理と時効の温度を選べば、析出硬化と同じように強さを調整できる
  2. B母相に溶けず粗大化しにくい硬い酸化物が転位を迂回させるので、析出物が溶けたり粗大化したりする高温でも強さが残りやすい
  3. C酸化物の粒子が転位に切られるときにできる逆位相境界で強化するので、粒子が大きいほど強く、高温では粒子が溶けて延性が戻る
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正解:B. 母相に溶けず粗大化しにくい硬い酸化物が転位を迂回させるので、析出物が溶けたり粗大化したりする高温でも強さが残りやすい

分散強化では、母相にほとんど溶けず母相と反応しない酸化物の粒子を、内部酸化や、粉末を強く混ぜ合わせる機械的合金化でつくって分散させます。硬く非整合な粒子は転位に切られず、オロワン機構で強化します。析出物は高温で溶けたり、オストワルド成長で粗くなったりして強さを失いますが、酸化物の粒子は融点の近くまでほとんど変わらないので、高温での強さやクリープ強度を保てます。Al₂O₃分散銅は高温でも軟化しにくい溶接の電極などに、ODS鋼は原子炉の燃料被覆管の候補材に使われます。時効で析出させるとする選択肢は析出硬化の説明で、酸化物は母相に溶けないので溶体化はできません。逆位相境界は規則相の析出物を切るときの話です。

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