強化機構と転位

鋼の強化法のうち、降伏強さを上げると同時に、延性脆性遷移温度を下げて低温の靭性も高められるものはどれか。

  1. A冷間加工で転位密度を高める加工硬化
  2. B固溶したりんやけい素による固溶強化
  3. C制御圧延などによる結晶粒の微細化
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正解:C. 制御圧延などによる結晶粒の微細化

結晶粒を細かくすると、ホール・ペッチの関係で降伏強さが上がるとともに、へき開き裂が粒界で向きを変えたり止まったりして、き裂の発生と伝ぱに必要な応力も上がるので、延性脆性遷移温度が下がります。鋼ではホール・ペッチの係数が約0.6〜0.7 MPa·√m とアルミニウムや銅より大きく、微細化の効果が特に大きいので、NbやTiを加えた鋼を低温で圧延して加速冷却する制御圧延・加速冷却(TMCP)が、溶接構造用鋼の高強度化に広く使われます。加工硬化や析出強化、Niなどを除く多くの元素の固溶強化は、降伏強さを上げる一方で、遷移温度を上げて靭性を下げる向きに働きます。特にりんは粒界に偏析して脆化を起こしやすい元素です。

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