オロワン機構とは
おろわんきこう
転位が切れない硬い粒子の間を弓なりに張り出して通り抜け、粒子のまわりに転位のループを残す機構。必要な応力は粒子の間隔に反比例する。
「オロワン機構」は、1分野の4問の練習問題に出てきます(強化機構と転位など)。
この用語の分野: 強化機構と転位
おろわんきこう
転位が切れない硬い粒子の間を弓なりに張り出して通り抜け、粒子のまわりに転位のループを残す機構。必要な応力は粒子の間隔に反比例する。
「オロワン機構」は、1分野の4問の練習問題に出てきます(強化機構と転位など)。
この用語の分野: 強化機構と転位
すべり面の上に、転位が切ることのできない硬い粒子が並んでいると、転位は粒子に引っかかり、粒子と粒子の間で弓なりに張り出します。転位には線の長さを縮めようとする線張力(約 Gb²/2)があり、張り出しを大きくするには応力が要ります。張り出しが半円を超えると、粒子の両側から回り込んだ部分が反対側で出会って打ち消し合い、転位は先へ進み、粒子のまわりには転位のループが残ります。この通り抜けに必要なせん断応力は Δτ ≈ Gb/L(Lは粒子の間隔)で、オロワン応力と呼ばれます。
体積分率fが同じなら、粒子の間隔Lは粒子の半径rにほぼ比例し、√f に反比例します。そのため、細かい粒子をたくさん分散させるほどLが狭くなり、オロワン応力は大きくなります。時効が進んで析出物が粗くなると、体積分率が変わらなくても間隔が広がって強さが下がり、これが過時効の軟化にあたります。一方、析出の初めの小さな整合な粒子は、迂回されるより転位に切られるほうが楽なので、オロワン機構ではなく切断で強化します。切断と迂回が入れ替わる大きさで、強さが最大になります。
粒子のまわりに残ったオロワンループは、次に来る転位に対して反発する応力を及ぼし、粒子の実質的な大きさを大きくして、次の通過を難しくします。そのため、硬い粒子を含む合金は加工硬化が大きくなりやすく、逆向きの荷重をかけるとループの応力が変形を助けるので、バウシンガー効果も大きくなります。酸化物の粒子で強化する分散強化や、過時効の析出物、炭化物を含む鋼の強化の多くがこの機構によります。高温では、転位が上昇運動で粒子を乗り越えられるので、強化の効果は小さくなります。
正解:B. 約228 MPa
Δτ = 26×10⁹ × 0.286×10⁻⁹/(100×10⁻⁹) ≈ 7.4×10⁷ Pa、約74 MPa です。多結晶の降伏応力の増分にするにはテイラー因子を掛けて、Δσ = 3.06 × 74 ≈ 228 MPa になります。約74 MPa はせん断応力のままでMを掛け忘れた値、約24 MPa はMで割ってしまった値です。転位の線張力は約 Gb²/2 で、転位が析出物の間で半円まで張り出すと通り抜けられることから、この式が出てきます。体積分率が同じなら、粒子が細かいほど間隔Lが狭くなり、オロワン応力は大きくなります。より正確な式では、転位の性格や粒子の大きさによる係数と対数の項が付き、値はこの見積もりより小さくなります。
線張力は転位の性格(刃状からせんか)や、転位が張り出したときの形によって変わり、粒子の大きさにも対数で依存するからです。より正確なオロワン・アシュビーの式では、Gb/L で見積もった値より小さくなります。
母相と非整合な粒子、硬い酸化物や炭化物、大きく成長した析出物のように、転位が切るのに大きな応力が要る粒子で働きます。小さく整合な析出物は、ふつう転位に切られます。
粒子を細かく、数を多くして、間隔を狭くします。粒子の大きさを半分にすると、体積分率が同じなら間隔もほぼ半分になり、オロワン応力はほぼ2倍になります。
体積分率が同じなら、粒子が細かいほど間隔Lが狭くなり、オロワン応力は大きくなります。
アルミニウム合金で、転位が析出物の間を張り出して通り抜けるオロワン機構によるせん断応力の増分を Δτ ≈ Gb/L で…引張りの間、転位は粒界や析出物、ほかの転位の集まりの前に積み重なり、硬い粒子のまわりにはオロワンループが残ります。
金属を引張りで塑性変形させたあと、荷重を除いて逆向きの圧縮をかけると、圧縮での降伏応力が、引張りを続けたときの流動応力…析出物が大きくなると、切るより、間を弓なりに張り出してループを残して通り抜けるオロワン機構のほうが楽になり、その応力は析出物の間隔に反比例して、粒子が粗くなるほど下がります。
時効で析出物が大きくなるにつれて、強さが上がって最大になり、その後下がる(過時効)。析出物と転位の相互作用からみた説明…硬く非整合な粒子は転位に切られず、オロワン機構で強化します。
Cuに微細なAl₂O₃粒子を分散させた合金や、鉄にY₂O₃の粒子を分散させたODS鋼のように、酸化物の粒子で強化する分…転位 テイラー因子 バウシンガー効果 空孔 ホール・ペッチの関係 分散強化 オストワルド成長 クリープ 析出硬化 シュミット因子