強化機構と転位

アルミニウム合金で、転位が析出物の間を張り出して通り抜けるオロワン機構によるせん断応力の増分を Δτ ≈ Gb/L で見積もる(Lは析出物の間隔)。G = 26 GPa、b = 0.286 nm、L = 100 nm とし、多結晶の降伏応力の増分を Δσ = MΔτ(テイラー因子 M = 3.06)とすると、Δσはどれに最も近いか。

  1. A約74 MPa
  2. B約228 MPa
  3. C約24 MPa
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正解:B. 約228 MPa

Δτ = 26×10⁹ × 0.286×10⁻⁹/(100×10⁻⁹) ≈ 7.4×10⁷ Pa、約74 MPa です。多結晶の降伏応力の増分にするにはテイラー因子を掛けて、Δσ = 3.06 × 74 ≈ 228 MPa になります。約74 MPa はせん断応力のままでMを掛け忘れた値、約24 MPa はMで割ってしまった値です。転位の線張力は約 Gb²/2 で、転位が析出物の間で半円まで張り出すと通り抜けられることから、この式が出てきます。体積分率が同じなら、粒子が細かいほど間隔Lが狭くなり、オロワン応力は大きくなります。より正確な式では、転位の性格や粒子の大きさによる係数と対数の項が付き、値はこの見積もりより小さくなります。

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