強化機構と転位

加工硬化した金属の流動応力を、テイラーの式 σ = MαGb√ρ で見積もる(ρは転位密度)。冷間加工した銅で、M = 3.06、α = 0.3、G = 48 GPa、b = 0.256 nm、ρ = 1.0×10¹⁴ m⁻² のとき、σはどれに最も近いか。

  1. A約37 MPa
  2. B約376 MPa
  3. C約113 MPa
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正解:C. 約113 MPa

√ρ = 1.0×10⁷ m⁻¹ なので、σ = 3.06 × 0.3 × 48×10⁹ × 0.256×10⁻⁹ × 1.0×10⁷ ≈ 1.13×10⁸ Pa、約113 MPa です。約37 MPa はテイラー因子Mを掛け忘れた分解せん断応力の値、約376 MPa は係数αを掛け忘れた値です。テイラーの式は、動く転位がほかの転位(林転位)と交わって引っかかり、その間隔が 1/√ρ 程度であることから導かれます。焼なました金属の転位密度は10¹⁰〜10¹² m⁻²程度で、強い冷間加工では10¹⁵ m⁻²程度まで増えます。転位密度が100倍になっても強さは10倍にとどまるので、ひずみが大きくなるほど加工硬化はしだいに鈍くなります。

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