材料記号の読み方

JIS などの材料記号を1つ入れると、部分ごとの意味を表にします。例えば SCM440 は、S(鋼)+ CM(クロムとモリブデン)+ 4(主な合金元素の量の区分)+ 40(炭素量の代表値 約0.40%)と読めます。小文字・全角・空白・ハイフンの違いは自動でそろえます。

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読み方

読み取った記号
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材料の種類
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成分は、資料で確かめた規定範囲や代表値の目安で、規格の全文ではありません。JIS は改正されるので、版によって名称・種類・範囲が変わることがあります。設計や発注では、最新の規格とメーカーの資料で確かめてください。

記号は「材料+用途や形+種類」の順に並ぶ

JIS の鉄鋼記号は、原則として3つの部分でできています。最初は材料を表す文字で、鋼は S(Steel)、鋳鉄などは F(Ferrum)で始まります。次に、板(P)、管(T)、線(W)、工具(K)、鋳造品(C)のような製品の形や用途を表す文字が続き、最後に種類を表す数字や記号が来ます。SS400 は S+S+400、SUJ2 は S+UJ+2 という組み立てです。機械構造用の鋼は例外で、2つ目の部分に合金元素の記号を並べ、成分で鋼種を表します。アルミニウム合金は A、銅と銅合金は C で始まり、4桁の合金番号のあとに形の記号と質別(処理の状態)を付けます。

同じ数字でも、鋼種によって意味が違う

記号の数字が何を表すかは、鋼種ごとに違います。SS400、SM490A、FC250 の数字は保証する引張強さの下限(N/mm²)で、SS400 は 400 N/mm² 以上です。一方、S45C の 45 は炭素量の代表値(約0.45%)を 100 倍したもので、SCM440 の末尾の 40 も炭素量です。SK105 の数字も炭素量の代表値(約1.05%)ですが、SUJ2、SUP9、SKD11、SUS304 の数字は種類の番号で、量を表していません。SUS の番号の多くは、AISI の番号と同じ数字です。数字を見ただけで強さや炭素量と決めつけず、どの規格の記号かを先に確かめるのが読み方のこつです。

機械構造用合金鋼の数字の付け方

SCM440 のような機械構造用合金鋼(JIS G 4053)の記号は、S のあとに主な合金元素の記号を並べ、1桁の主要合金元素量コードと2桁の炭素量の代表値を続けます。合金元素は、単独なら Mn・Cr と書き、組み合わせるときはクロムを C、モリブデンを M、ニッケルを N、アルミニウムを A と書くので、SCM はクロムモリブデン鋼、SNCM はニッケルクロムモリブデン鋼です。コードは合金元素の量の区分で、JIS G 4053 の表では、SNCM2○○ の Ni は 0.40〜0.70%、SNCM4○○ は 1.60〜2.00%、SNCM8○○ は 4.00〜4.50% です。炭素量の代表値は規定範囲のほぼ中央で、SCM440 の炭素量は 0.38〜0.43% です。末尾の H は、焼入れ性を保証した H 鋼を表します。

ステンレス鋼・アルミニウム合金・銅合金の記号

ステンレス鋼は SUS のあとに3桁の番号を付け、L(炭素 0.030% 以下の低炭素)、N(窒素を加えた)、J1・J2(同じ番号の鋼種と成分の一部が違う種類)などの記号を続けます。系統は、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト・フェライト系(二相系)、析出硬化系の5つに分かれます。アルミニウム合金の4桁の番号は1桁目が系を表し(1000系は純アルミニウム、5000系は Al-Mg 系、6000系は Al-Mg-Si 系など)、2000・6000・7000系は熱処理で強くなる熱処理型です。ハイフンのあとの質別は、O が焼なまし、H が加工硬化、T が熱処理を表し、A6061-T6 は溶体化処理のあと人工時効させた状態です。銅合金の C のあとの4桁は、1桁目が合金の系統(2 は Cu-Zn 系の黄銅、3 は鉛を含む快削黄銅、5 はりん青銅など)を表します。

金属材料の問題を解く

JISの鋼材記号「S45C」が表すものとして正しいものはどれか。

  1. A引張強さが450 MPa以上の一般構造用圧延鋼材
  2. B炭素量が約0.45%の機械構造用炭素鋼
  3. C炭素量が約4.5%の鋳鉄
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正解:B. 炭素量が約0.45%の機械構造用炭素鋼

S45CのSは鋼(Steel)、Cは炭素(Carbon)を表し、間の数字は炭素量の代表値を0.01%単位で示すので、炭素を約0.45%(0.42〜0.48%程度)含む機械構造用炭素鋼です。焼入れ・焼戻しで強度を調整でき、軸や歯車などに広く使われます。一般構造用圧延鋼材のSS400では、数字が炭素量ではなく保証する引張強さ(400 MPa以上)を表すので、引張強さ450 MPa以上の一般構造用圧延鋼材とする選択肢は、この2つの記号の読み方を取り違えています。炭素が2.14%を超えると鋼ではなく鋳鉄の範囲になり、4.5%は数字を0.1%単位と読んだ誤りです。亜共析の範囲では、炭素量が多いほど硬さと強さは上がり、延性と溶接性は下がります。

18%Cr-8%Niのオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の性質として正しいものはどれか。

  1. ACrを多く含むのでマルテンサイト系のステンレス鋼になり、油や水での焼入れによって大きく硬化する
  2. BNiを含んでいてもBCCのフェライト系で、焼なまし状態でも磁石に強く引き付けられる
  3. CFCCのオーステナイト組織で、焼入れで硬化せず、焼なまし状態ではほぼ非磁性である
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正解:C. FCCのオーステナイト組織で、焼入れで硬化せず、焼なまし状態ではほぼ非磁性である

SUS304は、オーステナイトを安定にするNiを約8%含むため、室温でもFCCのオーステナイト組織を保ちます。冷却で変態しないので焼入れでは硬化せず、強化は冷間加工で行います。焼なまし状態ではほぼ非磁性ですが、強く冷間加工すると一部が加工誘起マルテンサイトに変わり、磁石に付くようになります。FCCなので低温でも延性脆性遷移を示さず、低温容器にも使えます。焼入れで硬化するのは、Crを約13%含み炭素の多いSUS420J2などのマルテンサイト系です。Niをほとんど含まず、BCCで強い磁性をもつのはSUS430などのフェライト系です。

アルミニウム合金の記号「A6061-T6」の「T6」が表す処理はどれか。

  1. A溶体化処理のあと、室温で自然時効させたもの
  2. B溶体化処理のあと、人工時効させたもの
  3. C冷間加工で加工硬化させたもの
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正解:B. 溶体化処理のあと、人工時効させたもの

アルミニウム合金の記号は、4けたの数字が合金系(6000系はAl-Mg-Si系)を、ハイフンのあとの質別記号が処理の状態を表します。T6は、溶体化処理と急冷のあと、150〜200℃程度に加熱して人工時効させ、Mg₂Si系の微細な析出物で強度を高めた状態です。溶体化処理のあと室温で自然時効させた状態はT4で、T6より強度は低めです。冷間加工による加工硬化はHで表され、5000系のような非熱処理型合金で使われます。ほかに、Oは焼なまし(最も軟らかい状態)、Fは製造したままの状態を表します。同じ合金でも質別で強度が大きく変わるので、図面では両方を指定します。

よくある質問

SS400 と S45C は何が違いますか?

SS400 は一般構造用圧延鋼材で、数字は引張強さの下限(400 N/mm²)を表し、化学成分は P と S の上限だけが決められています。S45C は機械構造用炭素鋼で、炭素を約 0.42〜0.48% 含むように成分が決められ、焼入れ・焼戻しで強さを調整して使います。記号の数字の意味が違うので、名前が似ていても別の考え方で選ぶ材料です。

海外規格の「近い材料」は、そのまま置き換えられますか?

置き換えられるとは限りません。このツールで示す海外規格は成分が近いとされるものですが、成分の範囲、不純物の上限、保証する機械的性質、熱処理の条件は規格ごとに違います。置き換えるときは、両方の規格の値を比べて確かめてください。

読めない記号があるのはなぜですか?

このツールは、機械構造用鋼、構造用鋼材、薄鋼板、工具鋼、軸受鋼、ばね鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金、鋳鉄の主な記号を規則で読みます。鋳鋼(SC)、鍛鋼(SF)、耐熱鋼(SUH)、鋼管、アルミニウム合金の鋳物(AC、ADC)などはまだ読めません。また、規則どおりに読めても、その種類が規格に実在するとは限りません。

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